2020.9.2
できたてアツアツの美味しい朝ごはんは、台湾の愛すべき文化のひとつ。でも、どんなメニューがあるか分からないし、貴重な一食で失敗はしたくない… なんて尻込みしているあなた!これを見れば、食べたいものを自信を持って注文できるようになりますよ。今日からあなたも、台湾の朝ごはんマスターの仲間入り♪
こんにちは!キュレーターのROMYです。
初めての台湾旅行でもそうでなくても、訪れる度に必ずや満喫していただきたいのが、ズバリ! 台湾の朝ごはんです!
台湾旅行の目的のひとつといえば、美味しい台湾グルメを堪能することですが、その楽しみは朝から始まっています。台湾では早朝から営業している「早餐店(ザオツァンディエン/zǎocāndiàn)」と呼ばれる朝ごはん専門店があちこちにあり、街の人たちもここで朝ごはんを済ませたり、テイクアウトして職場や学校に持っていって食べるというのが定番のライフスタイル。
朝5時など早朝から営業していることも多い早餐店。注文を受けてからつくるできたてアツアツの朝ごはんは、台湾人にとってなくてはならない元気の源です。
台湾の朝ごはんの定番でもある「鹹豆漿(シエントウジャン/xiándòujiāng)」は日本人でもハマる人が続出し、最近では日本に専門店がオープンしたり、簡単につくれるレシピなどがメディアで紹介されたりもしています。
しかし、地元の人で賑わうローカルな街角のお店では、壁に中国語のメニューが貼ってあるだけで、写真もなくどんなものか想像もつかなかったりすることも…。そこで今回は、台湾人に交じってローカルな朝ごはんを楽しむべく、定番メニューや具材の組み合わせをまとめてご紹介します。
みんなで台湾の朝ごはんマスターを目指しましょう!
まずは街中のいたるところにある、鉄板を使うタイプの朝ごはん屋さん(例:美而美)の定番メニューを見てみましょう。
よ〜く見ると同じ漢字が各列に並んでいたりしますが、これは「ベースのメニュー」と「具材」の組み合わせになっているんです。なので、以下を押さえておけばだいたいのものは注文できちゃいますよ!
●漢堡(ハン バォ/hàn bǎo):ハンバーガー
台湾式のハンバーガー。バンズが熱でしっとりふんわりしていているのが特徴で、豚肉のパティや甘めのマヨネーズがほんのり甘く昔懐かしい味わい。いわゆるアメリカ式のハンバーガーとは少し違うのですが、これが癖になる美味しさなんです!
作り置きされておらず、注文してからその場でパンと具材を焼いて作ってくれることが多いです。チキンやベーコン、チーズやレタスなど、溢れんばかりの具と一緒に頬張りましょう!
●三明治(サン ミン ヂー/sān míng zhì):サンドイッチ
よく店先に並んでいる、一番手軽な朝食。すでに作り置きされているので時間がない時でもさっと買えてすぐに食べられるのが嬉しいところ。匂いがあまりしないので(飲食OKな)長距離バスの車内などで食べている人なんかもよく見かけます。野菜やお肉など色々な具材が挟まれています。
また台湾のサンドイッチといえば、ふわっふわの食パンにジャムや薄いチーズなどシンプルな具材を挟んだ、台中発祥の「洪瑞珍」というお店がとても有名。シンプルながら、一口食べたら「なんでこんなに美味しいの…?」と驚くはず。台北駅の近くにも支店がありますのでぜひ一度は食べてみてください!
●吐司(トゥ スー/tǔ sī):トースト
「吐くって何?!」と一瞬その漢字にギョっとしまいますが(笑)、「トースト」の当て字なのでご安心を。いわゆるジャムトーストのようなものではなく、色々な具材を挟んだホットサンドに近いかもしれません。
最近では「倆倆號」というお店が、おしゃれトーストとして人気を集めていますよ~! 目の前の鉄板で焼いてくれるので「鐵板吐司」とも呼ばれています。
●蛋餅(ダン ビン/dàn bǐng):卵クレープ
もちもちの皮に具を織り込んで焼き上げる、台湾の朝食の定番。日本語では卵クレープと表現されることも多いです。一緒に食べることの多い甘辛いタレ(醬油膏)が、美味しさをより一層引き立ててくれます。
こちらも起司蛋餅(チーズダンビン)や 培根蛋餅(ベーコンダンビン)など好きな具材をあわせて注文することで、その場で具材と一緒に鉄板で焼き、巻いて提供してくれます。
進化系蛋餅として知られる「LOCO FOOD -樂口福-」や「軟食力」のおしゃれな蛋餅は、台北在住の日本人にも大人気! 一般的な朝ごはん屋さんの蛋餅といえば、焼き目はほぼなく薄いソフトな口当たりなことが多いですが、最近の蛋餅は、焼きめをしっかりつけてざくざくとした食感にしているところが人気のようです。
朝からちょっぴりヘビーですが、炸蛋餅(ヂャーダンビン)という名の、油で揚げ焼きにした蛋餅を看板商品にしているお店もあります!
その他、パンの種類として
●可頌(クー ソン/kě sòng):クロワッサン
●貝果(ベイ グオ/bèi guǒ):ベーグル
なんかもありますよ(カフェメニューで見かけることも)。
それでは続いて、これらのメインメニューと組み合わせて選べる「具材」を紹介します。これだけバリエーションが豊富だと、何にするか迷っちゃいますね~!
▼ サンドイッチやハンバーガーで選べる具材
▼トーストやベーグルで選べる具材(フレーバー)
注文する時は、日本語と同じで “具材→ベース” の順となります。
例えば、ベーコンサンドイッチであれば「培根三明治」。そう、どんな組み合わせがあるのかさえ分かってしまえば、意外と応用もきくし簡単に注文できちゃうんですよー!
ただ、そうはいっても組み合わせが多いので、全部覚えるのは大変…。漢字とはいえ当て字も多いので、店先でメニューを見ても何だったかパっと思い浮かばない可能性も。
そこで!わたくし皆さんのためにこんなものを作りました!じゃんっ!!
高画質PDF版はコチラ (※クリックすると別窓で開きます)
これを見れば、一目でベースと具材が分かるので、ぜひプリントアウトなどしてご活用ください♪ ピンインもつけたので、中国語を勉強している方は、ぜひ指差しではなく声に出して注文してみてくださいね~!
ちなみに、こうした具材の名称以外にも「綜合(ゾンハー/zōnghé)」や「 招牌(ヂャオパイ/zhāopái)」といった言葉をメニューで見かけることもあるかもしれません。これらはそれぞれ「綜合(総合、全部入れ、全部載せ)」「招牌(看板、名物)」といった意味があります。メニューが沢山ありすぎて迷ったら「招牌」を注文しておけば、だいたい間違いありませんよ。
さらに、パンだけじゃ食べたりないな… 朝からガツンと食べたいな! という方もご安心ください。上記のメインメニューのほか、追加で注文できるサイドメニューも色々あるんです。こちらもざっとご紹介!
●蔥抓餅(ツォン ヂュア ビン/cōng zhuā bǐng):ねぎパイ
小麦粉で作った生地にネギを混ぜ込み、油を塗って焼いたパイ。ふわっサクッな触感、そして表面にふりかけられた香辛料がたまりません!(専門の屋台がたくさんあるので、朝ごはんに限らず、おやつや夜食として食べる人も多いはず)
●鐵板麵(ティエ バン ミェン/tiě bǎn miàn):鉄板麺
その名のとおり、鉄板で焼いた麺。「朝から麺は重たそう…」と思うことなかれ! 黒胡椒が食欲をそそり、意外とペロっといけちゃいます。
●蘿蔔糕(ルォ ボ ガオ/luó bo gāo):大根もち
元は香港のものですが、台湾でもすっかりおなじみの料理の一つ。真っ白な蒸したタイプのものと、蒸したあとにこんがり焼いたタイプのものがあります(蒸しただけのタイプのものと区別するために ”煎蘿蔔糕” と呼ばれることも)。
アツアツもちもち、お好みで少し辛いタレをかけてもまた美味しいですよ。
●乳酪餅(ルー ラオ ビン/rǔ lào bǐng):ホットサンドパイ
サクサクのパイ生地に、ふわふわの食パンや卵などの具材を挟んだ、炭水化物オン炭水化物(!)のなんとも絶妙な組み合わせ。バターがふわっと香る甘めの味わいで、一度食べたらクセになる、知る人ぞ知るメニューです(日本語訳が難しい…)。
そしてここからは、特に台湾ならではのメニューではありませんが、よく見かけるのでまとめておきます。
●荷包蛋(ヘー バオ ダン/hé bāo dàn):両面目玉焼き
●薯餅(シュー ビン/shǔ bǐng):ハッシュドポテト
●熱狗(ルー ゴウ/rè gǒu):ホットドッグ
●玉米濃湯(ユー ミー ノン タン/yù mǐ nóng tāng):コーンスープ
なお、「蛋」というのは卵のことで、メニューの横に「加蛋」と書いてあるものはプラス料金で卵を追加できるということなので、合わせて覚えておいてくださいね!
ちなみに卵のメニューを注文するときは、焼き加減を聞かれることもあります。「蛋要熟嗎?(ダンヤオショウマ?/dàn yào shóu ma: 卵の黄身は火を通す?)」と聞かれたら、「要熟(ヤオショウ/yào shóu :しっかり全部焼くこと)」「半熟(バンショウ/bànshóu: 半熟焼きのこと)」などと答えてくださいね。
続いて、ガイドブックで取り上げられることの多い 豆漿(ドゥ ジャン/dòu jiāng)系の朝ごはんについても、主なメニューをご紹介します!
●豆漿(ドゥ ジャン/dòu jiāng):豆乳
さまざまな朝食専門店の店の名前にも入っている、台湾の朝ごはんに欠かすことのできない飲み物。温かい「熱豆漿」と冷たい「冰豆漿」、さらに店によってはぬるめの「溫豆漿」を用意していることもあり、いずれもお砂糖入りでやさしい甘さの豆乳です。
このようにお椀に入れて提供されることもありますが、大体は持ち帰り用のドリンク容器に入れられることが多いです。お店によって味は異なりますが、日本の豆乳より飲みやすくとっても美味しい〜!
●鹹豆漿(シェン ドゥ ジャン/xián dòu jiāng):豆乳スープ
一方のこちらは、砂糖の入っていない豆漿に、お酢や醤油などで味付けした、食べごたえのある豆乳スープ。「鹹(シェン)」の一文字がつくだけで、全く違う食べ物になります!
油條やザーサイ、ネギ、アミエビなどの具が入っていて、おぼろ豆腐のようなほろほろした食感です。
胃がほっと休まる優しい味わいで、朝ごはんにぴったり。夏でもアツアツをいただきます。日本人でもハマる人続出の大人気メニューです。
●米漿(ミー ジャン/mǐ jiāng):ライスミルク
日本人にはあまり馴染みがないけれど、台湾ではポピュラーなお米とピーナッツでできた飲み物。色はほんのり茶色で、豆漿と比べると少し重ためな味わいです。わりと好みが分かれるかも?
●油條(ヨウ ティアオ/yóu tiáo):揚げパン
細長い揚げパンで、豆漿に浸して食べるのが一般的ですが、おにぎり(!)やお鍋などの具材にもなる万能選手。ちなみに余談ですが、林俊傑という歌手の曲に「豆漿油條」というのがあるのですが、この曲の英訳タイトルが「Perfect Match」!それくらい豆漿との相性バツグンということなんでしょうね~。
●飯糰(ファン トゥアン/fàn tuán):台湾式おにぎり
もち米の中に、油條、肉鬆、卵、切干大根などといった具材がぎっしりと詰まった台湾式のおにぎり。好きな具材を選んで、その場で作ってもらいます。お店によって、黒っぽい紫米を使用しています。作っている様子を見るのも楽しいですよ〜。こちらは、地元の人にも大人気の「劉媽媽飯糰」というお店のもの。早朝5時から営業していますので、季節によっては真っ暗です!
おかずが沢山入ったしょっぱい ‟鹹(シェン/xián)飯糰 ” が一般的ですが、お砂糖がじゃりっと入った甘い味 ‟甜(ティエン/tián)飯糰 ” を扱っているお店もあります。サイズがかなり大きめなので、一つ食べるとお腹いっぱいになりますよ!
こちらは台北駅からすぐ近く「飯糰覇」というお店のおにぎり。
●燒餅(シャオ ビン/shāo bǐng):焼きパン
香ばしく焼いたパンの間に、卵やネギなどの具材を挟んだもの。揚げパンである油條を挟んで食べるものも! パンの中にパン?!と思ってしまいますが、意外と美味しくていけちゃうんです。
こうして見ると、豆漿系のお店のメニューには「油條」がつきもの。豆乳に浸したり、おにぎりに入れたり、パンに挟んだりと、色々な食べ方があるので、ぜひその違いを味わってみてくださいね。
カテゴリー外ですが、台湾の朝ごはんといえば「小籠包」も一般的。といっても、いわゆる高級小籠包店のような薄皮で肉汁たっぷりの小籠包ではなく、ローカルなミニ肉まんのような小籠包です。
詳しくはこちらの記事でも紹介しているので、是非チェックしてみてくださいね!
他にも、小さめの肉まんを油でカリッと焼いた 水煎包(シュイ ジェン バオ/shuǐ jiān bāo:焼きまんじゅう)などのメニューもありますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。「肉包(肉まん)」「韮菜包(ニラまん)」「高麗菜包(キャベツまん)」といった種類があって、小腹が空いた時にもちょうど良いサイズです。
いかがでしたか? さすが美食の国台湾、朝ごはんも本当にバリエーション豊か! 2泊3日の旅行だけでは、到底制覇できないメニューの数々です(笑)。
こんなに沢山あったら迷ってしまうと思いますが、個人的に外せないのは「鹹豆漿」と「飯糰」です。日本ではなかなかお目にかかれないし、初めて口にした時は想像以上の美味しさに朝から感動したのを覚えています。
ガイドブックに載っているお店も良いですが、なんてことのない街角のお店が、案外隠れた名店だったりするもの。私はいつも、ぷらぷら歩きながら、地元の人で賑わっているお店を発見するとふらっと入ります。そういうお店は観光客慣れしていないことが多いですが、今回ご紹介したメニューを一通り知っておけば困ることはないはず。ぜひ積極的にトライしてみてくださいね!
今日は何にしようかな、あれもこれも食べたいな… なんて迷ってしまうのもまた、幸せなひと時。みなさんも朝から外に繰り出して、出来たてアツアツの美味しい朝ごはんで元気をチャージして、夜までめいっぱい1日を楽しみましょう~♪
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