こんにちは!台北在住のキュレーターのれいちぇるです。
12月が近づき、台北も立冬を迎え、朝晩はひんやりと冷え込むようになってきました。台湾の冬は日本ほど気温は低くないものの、湿度がとても高いので、「
湿冷」と言われ、実際の温度よりかなり寒く感じます。 夏が長い分、急激に気温の下がる冬の寒さがこたえる… 冬に台湾へ行ったことのある人は、その寒さに驚かれるのではないでしょうか? そんな台湾では、立冬にあたって「
立冬補冬、補嘴空」という中国の古いことわざがあります。もともとは「
立冬には、旬の食材を摂って体調を整える」というような意味なのですが、このことわざにちなんで、台湾では寒くなると体が温まる料理を食べて、本格的な冬の到来に備える習慣があるんです。 今回は、冬に台湾へ行ったら是非食べたい!
代表的な台湾の冬グルメ3選と、それぞれの人気店をご紹介します。台湾っ子はこれを食べずして冬を迎えられない!これから冬にかけて台湾へ行く方にぜひおススメしたいこの3品。ローカル感を味わいたい方ははずせませんよ~!
1.米酒たっぷりで身体ぽかぽか!「麻油雞」
まずは代表的な台湾冬料理「
麻油雞(máyóujī/マーヨウジ)」からご紹介。
鶏肉とごま油(中国語では「麻油」)、生姜、そしてたっぷりの米酒(台湾で料理酒として使われる蒸留酒)を入れて煮込んだ
薬膳鶏スープです。 米酒の香りがとっても強くて、スープはちょっと苦味を感じるくらい。
とにかく身体を温める効果が抜群! これ一杯で身体の芯からぽかぽかになります。 鍋料理は大人数でないとなかなか食べづらいイメージですが、こちらは夜市などでも気軽に食べられる上に、一人一杯注文するのが定番なので一人旅でも安心。
「麻油雞」+「麵線(台湾の温かい素麺)」というのが台湾っ子のお決まりの食べ方です。
また麻油雞はとっても有名な台湾伝統料理の一つなので、冬になると各家庭でもよく作られています。栄養たっぷりで、出産後の女性の回復食としても好まれるのだとか。
お店では、鶏肉以外にも、他のお肉や部位をチョイスすることができます。
台北で麻油雞を食べるなら!大行列の「阿圖麻油鶏」
出典:http://photobychrislin.blogspot.jp/2010/12/blog-post_06.html
台北で本格的な麻油雞を食べるなら、可愛いニワトリのロゴが目印の「
阿圖麻油鶏」がおすすめ。「雙城夜市」からほど近くの林森北路に本店があり、人気の遼寧夜市にも支店があります。 立冬の夜には大行列になるほどの人気店です!定番の「
麻油鶏」はこんな感じ。一人でもペロッと食べられる量です!
出典:http://photobychrislin.blogspot.jp/2010/12/blog-post_06.html
さらに、こちらの名物メニューは「
麻油腰只湯(máyóuyāozhǐtāng)」。これは「麻油」のスープに豚の腎臓を入れたスープで、臭みなどは全くなく、モツ系が苦手な人でも大丈夫。シコシコと弾力のある食感がなかなかいけますよ。
こちらのお店、どうやら「
麻醬麵」など麺類のメニューもかなりレベルが高そう。寒い日には売り切れることが多いので、早めの時間帯に行くことをオススメします。
<店舗情報>
- 営業時間:
- 11:00~0:00(日曜日は11:00~21:00)
2.漢方たっぷりスープと羊肉で栄養満点「羊肉爐」
出典:http://eham.com.tw/pages/process/muttonHotPotLink.action
次にご紹介するのは、羊肉の薬膳鍋「
羊肉爐(yáng ròu lú/ヤンロゥルゥ)」。
クコの実や棗などの漢方がたっぷり入った薬膳スープで羊のお肉を煮込みます。お店にもよりますが、羊肉は「骨付き」か「皮付き」、又は「薄切り」のものが選べます。香辛料が沢山入っているので羊肉の臭みは全く気になりません。 こちらもスープには生姜・米酒もたっぷり入っているので、食後にはすっかり身体ぽかぽかです。
出典:https://goo.gl/MdPIWR
羊肉爐は数人で鍋を囲んで食べるスタイルで、野菜や豆腐などの具材は好きなのをチョイス。ことこと煮込むうちに、お肉もほろほろに!冷たい風にあたりながらみんなで囲んで食べる羊肉爐、これがたまりません! サイドメニューでは、「
薑絲羊肉(羊肉のショウガ炒め)」や「
沙茶羊肉(羊肉の沙茶醤炒め)」などの炒めものがオススメです。もちろんここでも、
「麵線」は必須です! ちなみに、羊肉爐は台湾で発明された料理なんだとか。火鍋などの具材でもよく見かけますが、台湾では普段から羊肉を食す機会が多いんです。
台北で羊肉爐を食べるなら! 「林家蔬菜羊肉爐」
出典:https://goo.gl/2UkA41
こちらのおすすめのお店は、MRT「中山國小」駅から徒歩7分の「
林家蔬菜羊肉爐」というお店。こちらのお店はちょっと変わり種で、季節のお野菜がたっぷり入った「
清燉スープ」といったものもあります。漢方などがあまり入っていない透明なスープなので、素材そのものの味が味わえて、日本人にも馴染みやすいスープです。 羊肉爐に初めてトライするなら、是非こちらのお店で!
美味しい羊肉と深い味わいの薬膳スープで、ぽかぽか温まってくださいね。
<店舗情報>
3.台湾冬の王道鍋!鴨肉と生姜たっぷり「薑母鴨」
グァッグァッ。
最後にご紹介するのは、台湾冬の王道鍋「
薑母鴨(jiāng mŭ yā/ジャンムーヤ)」。
こちらは、老生姜とアヒル肉を炒め、そこに米酒・ゴマ油・ 漢方等を入れて煮込んだお鍋です。スープには生姜とアヒル肉のうまみがよく出ていて、これが本当にクセになるおいしさ!身体もぽっかぽかに温まるので、健康にもよさそうです。 薑母鴨は、大人数で鍋を囲んで食べるスタイル。お店では壷のようなお鍋で運ばれてきて、炭火で温めながらいただきます。この独特な雰囲気、なかなかいけるでしょ?
あらかじめアヒル肉が煮込んであるスープに、好きな野菜や豆皮(揚げた湯葉)、内臓などを選んで一緒に煮込んでいただきます。
アヒルは一羽まるごとぶつ切りで煮込んであるので、部位によってお肉がちょっと固めなのと骨に注意です! 色々な部位が入っているので(首部分とか舌とか…笑)、日本人的にはちょっと驚くことも。だけど、無駄な部分を一切出さずに、余すことなくいただく精神は素晴らしい!ということで…
受け入れましょう!笑 ここでも、ごま油と揚げニンニクであえた「麺線」はマストなサイドメニューですよ! 大勢で食事をするのが大好きな台湾人。冬になると、みんな口を揃えて「薑母鴨いつ食べに行く~?」と言い出します。薑母鴨のお誘いが入ると
「あぁ今年も冬が来たな~」と感じるんです。
台湾で薑母鴨を食べるなら!「霸味薑母鴨」
オススメのお店は「
霸味薑母鴨」。黒いアヒルのイラストと店先の黄色いちょうちんが目印。チェーン店で台湾各地にお店があります。半分屋台のような感じで、道端のテーブルでわいわい食べる薑母鴨。これぞ台湾スタイルです!
ちなみに、薑母鴨のお店は冬季限定でオープンしているお店が多いので要注意。まさに、冬の台湾でしか出会えない味ですね。
<店舗情報>
台湾人が愛する冬グルメまとめ
みなさん、いかがでしたか?
羊にアヒル、そして薬膳…日本ではあまりなじみのないものばかりなので、ちょっとハードルが高く感じるかもしれませんが、どれも日本ではなかなか手に入らない食材だったり、高級なものだったり。だからこそ、
ぜひ台湾で試してもらいたいんです! 円卓を囲みながら皆で、熱々!ハフハフ!と頬張る薬膳鍋は、風邪予防などにもばっちり。この冬は、一歩踏み出して、ローカルな冬グルメを楽しんじゃいましょう♪ きっと良い思い出になること間違いなしですよ!
れいちぇる
台北で子ども時代を過ごしたことをきっかけに、台湾の生活に魅了され、仕事でリターン。豪快に咲く道端のブーゲンビリアと自由きままな台湾犬と、路地裏の老房子に癒されながら過ごす日々。五月天をきっかけにC-POPの世界へ。最近は台湾語の歌やドラマにハマり中。
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