2020.1.21
日本でおなじみの星野リゾートが手掛ける「星のや」が、2019年6月、台中の温泉エリアである谷關(グーグァン)にオープン! 山や渓谷、谷關の自然をたっぷり味わえる贅沢な宿泊体験を、アクセスや食事なども含めてたっぷりレポートします。
大家好!編集長の小伶(しゃおりん)です。
台湾にあの星野リゾートが手掛ける宿泊施設がオープンする! というニュースを聞いて、興奮を抑えきれなかった私。ご存知の方も多いと思いますが、「星のや」ブランドといえば”現代を休む日” をコンセプトにした星野リゾートが手掛けるアッパーブランドで、現在は軽井沢や京都、竹富島などにも展開をしています。
さらに今回オープンした「星のやグーグァン」は、バリに続いて2拠点目となる海外施設ということで、台湾好きだけではなく、日本の星のやファンたちの間でも話題に。私としても「台湾×星野リゾート」という素晴らしいコラボレーションを体験せずにはいられない…!
というわけで、2019年6月にオープンしたばかりの「星のやグーグァン」に早速お邪魔し、実際に宿泊してきました♡
今回はVELTRAにて販売中のこちらのプランを利用させていただきました!
憧れのホテル星野リゾート「虹夕諾雅 谷關(グーグァン)」に宿泊 オプションで台中観光も可能!<1泊2日/食事付き/中国語ドライバー>
普段の格安台湾旅とはまったく違う(!)贅沢な体験。台中の豊かな自然と温泉、美食をたっぷり堪能できる本施設の魅力を詳しくご紹介します。
そもそも谷關(グーグァン/guguan)といえば、台湾中部の老舗の温泉エリアとして古くから知られるエリア。台湾原住民の泰雅族(タイヤル族)の集落が多くあることから、現地にはタイヤル族の文化が学べる記念施設なども見られます。
かつては温泉街として現地の台湾人で賑わっていた谷關ですが、1999年に発生した台湾大地震で壊滅的な被害を受けることに…。影響で道路が寸断されてしまったりといったことから温泉街としても少し寂れた雰囲気になり、長らく復興が進められていました。
そうした努力の末、ようやくかつての賑わいを取り戻し始めた谷關。現在では公共の足湯施設なども設置され、美肌効果のある豊富な温泉や五葉松や鱘龍魚(カラチョウザメ)などといった地元の特産品を目当てに、観光客が集まるようになっています。
そんな谷關に「星のや」がやってきたというニュースは台湾でも大きな話題に!
日本の星野リゾートは台湾人にも大人気なため、これからは日本へ行かずとも星野リゾートが提案する宿泊体験ができる! と多くの台湾人たちがオープンを心待ちにしていたのでした。
ちなみに「星のや」は、中国語では「虹夕諾雅(ホンシーヌォヤー/Hongxinuoya)」と呼ばれています。SNSやブログなどで台湾人たちの投稿や体験ブログを検索したいときは、こちらの中国語で調べてみましょう!
谷關は、新幹線または台鉄「台中」駅から、車で約1時間半ほどの場所にあります。
今回、私は台北からの移動だったので、台北松山空港に到着してから台北駅に移動し、新幹線に乗って台中駅へ。台中駅からチャーター車で星のや谷關まで送迎してもらいました。
台北駅から台中駅までの新幹線移動は、VELTRAで販売している3日間の台湾新幹線<乗り放題周遊パス>を予約して利用しました! チケットを発券してから3日間はどの区間も乗り放題という外国人限定のかなりお得なチケットなので、星のやを1〜2泊で利用してまた台中駅から台北駅へ戻るというコースにおすすめです♡
VELTRA:台湾新幹線割引チケット<乗り放題周遊パス> *外国人限定
台中駅からさらにチャーター車で移動となると、到着までにやや時間もかかる印象ですが、「星のや」が有料で手配しているチャーター車は【新幹線台中駅】のほか、【桃園空港】【台北松山空港】【台中国際空港】に直接迎えに来てくれるプランもあります。
台北(桃園・松山)空港から「星のや」までは約4時間。台中駅・台中空港から「星のや」までは約1.5時間というドライブコースなので、前後の旅のスケジュールや人数、移動の負担などを含めて検討するのが良さそうです。
台中駅では、優しそうなドライバーさんが「VELTRA」のロゴが載った送迎の目印を持って待っていてくれました。普通の乗用車ですが、子供がいることを伝えるとチャイルドシートなども用意してくれていたので安心して乗ることができました。もちろん車内も清潔です!
台中駅を出発してすぐは高速道路の市街地のような風景が続きますが、1時間もするとすっかりローカルな雰囲気に。山道に差し掛かり、道路の標識には「谷關溫泉」の文字も見えてきます。台北市内では、なかなかお目にかかれない檳榔(びんろう)屋台が何軒も並ぶ道があったり、道路脇を野良犬が走っている風景を見ると、 「あ〜これぞ台湾!」と気持ちが高まります(笑)。
そしてついに…! 観光地らしい温泉街の風景を抜けると「星のやグーグァン」に到着。かなり奥まったところにあるのですが、入り口から漂いまくる高級感…。
星のやらしいユニフォームに身を包んだスタッフの方がずらりと並んで迎えてくれました。
一歩施設に入ってみると、もうそこは別世界…! 谷關の美しい山々や渓谷、水を彷彿とさせる壮大なアートが迎えてくれます。日本からの長い道のりの疲れも一気に吹っ飛んでしまうような優雅さ。受付けをしてくれたスタッフさんも日本語堪能でした。
こちらのアートは湧き上がる温泉と、その湯気をモチーフに作られたのだとか。
フロントの横には、ガラス張りの窓からウォーターガーデンを望む、景観の美しいライブラリーラウンジがありました。
ずらりと並んだソファの横には、自由に飲めるドリンクやお茶菓子なども用意されています。私が宿泊したときは、季節柄、月餅が置かれていました。さりげなく置かれたお茶のティーバッグも「小茶栽堂」ブランドのものだったりして、台湾好きの心をくすぐる〜!
ライブラリーラウンジという名前のとおり、星のやによるセレクトの本も自由に閲覧できるように置いてありました。旅や台湾の歴史に関する日本語の本や、子どもが読める絵本などもたくさんあって楽しい空間です。
こちらのスペースはチェックイン前後の時間も含めて、24時間利用できるようで、緑でいっぱいの美しい景色を見ながらおしゃべりする、他の宿泊者さんたちの姿もありました。
今回泊まったのはこちらのお部屋。リビングスペースには、広々とした「くの字」型のソファ(きれいに整えられたクッションがなんだかトトロみたいで可愛い…!)と掘りごたつのようなテーブル。
ウェルカムドリンクとスイーツに、水まんじゅうが用意されていました。
ベッドのスペースにはダブルサイズのベッドが3台、さらにテラスがあり、大人が十分に寝転がれるような広いソファも。一面がガラス張りで、お部屋の中にいるのに、まるで大自然の中の空に浮かんでいるかのような景観でした。
そして肝心の温泉は、メゾネットになったお部屋の2階に。
「星のやグーグァン」は、全50部屋すべて源泉かけ流しの露天風呂付きなのですが、そのほとんどがメゾネットタイプで、ゆったりくつろげるリビング&ベッドのスペースと、露天風呂と広々とした洗面所のあるスペースが分かれています。
あえてメゾネットにしている理由は、家族や友人と訪れても、お部屋の中でゆっくり一人の時間も楽しめるようにという想いからなのだそう。なんて素敵なの〜!!!!
入浴中の息子の姿で失礼します…!
そのコンセプトどおり、家族が寝静まったあとに一人でテラスのソファで渓谷の音を聴いたり、まるで一人旅に来たかのような気分で、何度もお部屋の露天風呂で身体を温めたり。心身ともにリラックスできました。弱アルカリ性の炭酸泉は「美肌の湯」とも言われていて、檜(ひのき)の内湯はしっとりと心地よく、ふわっと安らぐ香りに癒やされます…。
夜は敷地内のウォーターガーデンがライトアップされて、また格別の景色。
ちなみに、女性が必要な化粧水や乳液なども含めて、必要なアメニティはひと通り不足なく取り揃えられていたのですが、一番うれしかったのは着心地の良い館内着と、足袋のような靴下、パジャマが用意されていたこと…。作務衣のようなタイプで、柔らかい素材がとても気持ちよく「ああ、これぞ日本のおもてなし…」とじわじわ感動しました。あれこれ荷物を持っていかなくても良いのは、やっぱりありがたいですよね〜。
さて。そんな快適なお部屋の外にも、フロアの利用者が自由に寛げる「風の間」と呼ばれる開放スペースがありました。こちらも大自然や通り抜ける風をめいっぱいに感じられる素敵な空間。星のやのコンセプトどおり、日々の喧騒を忘れて、静かにまったりと安らげる場所が至るところにあったのが印象的です。
そういえば、お部屋に行くための通路などはジグザグとした設計になっていたのですが、こちらは台湾の路地(その先がどうなっているのか見えないジグザグの道)をイメージしているのだとか! こういう隠れたこだわりや、日本の星のやとはちょっと違うコンセプトを知れるとちょっと嬉しいですよね。
施設や温泉をじっくり楽しんでいたら、あっという間に夕食の時間。夕食は、一階のレセプションのすぐ近くにあるレストランスペースで提供されます。
星のやは宿泊代金に含まれているのは朝食のみなので、夕食は別途代金が必要。ここで絶対にオススメしたいのがコースの懐石料理。一人3990元と正直かなりお高めですが、美味しさ、お料理の美しさ、ボリューム、スタッフの方のサービスどれをとっても申し分のないレベルでした。
コースのお料理についてはスタッフの方が日本語で丁寧に説明してくれるのですが、注目すべきはこちら! 谷關の名物である鱘龍魚(カラチョウザメ)などを使ったお料理。こちらは南蛮漬けにしていただいたのですが、身がふわふわしていて美味しかったです。
ほかにも、お造りの盛り合わせなどが贅沢に載った「宝楽盛り」は、谷關の3つの山をイメージした器でサーブされたりと、とにかく細部にわたって工夫が凝らされていました。
いわゆる台湾料理ではありませんが、台湾の食材を使った日本の懐石料理というのはとっても新鮮。ここでしか食べられない味も多く、大満足でしたよ〜!
大満足と言えば、そのボリュームたるや…
大食いで定評のある私ですが(笑)そんな私でも食べきれないほど! 食後のスイーツなども含め、超充実のお料理の数々でした。これから行かれる皆さまは、この美味しいお料理を満喫するためにもとにかくお腹を空かせて行ってくださいね。
今回いただいた夕食メニューはこちら▽
先付け:若布、海老、蒸し鮑、土佐酢ゼリー、蝶鮫の南蛮漬け
土瓶蒸し:鱧の丸、組み上げ饅頭はた杉板焼き
宝楽盛り:お造り取り合わせ、太刀魚八幡巻き、たこ柔らか煮、たたき海老とそら豆の香煎揚げ、栗かわり揚げ、茄子の利休仕立て
焼き物:はた杉板焼き
蓋物:穴子博多蒸し
小鍋:和牛 小鍋仕立て
食事:焼き鮭といくらのごはん
甘味: 季節のフルーツとほうじ茶のゼリー
※食材や献立は季節や仕入れ状況によって異なる場合があります。
ちなみに! とってもラグジュアリーな空間ではあるのですが、我が家を含め、子供連れの方もちらほらいました。幼児には子供椅子と食器、ご飯やお吸い物のサービスもあります。日本ではなかなかこんな静かなお店でゆったり落ち着いて食事することもできないので、これが本当にありがたかった〜〜!
心もお腹もいっぱいに満たされてお部屋に戻ってからは、テラスのソファで虫の声を聴いたり、ライブラリースペースでゆったりしたり、大浴場の温泉に行ってみたりと、まだまだ夜のお楽しみも続くのでした。
台北は雨が多いイメージですが、台湾中部のエリアは比較的お天気が安定しているのが嬉しいところ。今回私が訪れたタイミングも台北は連日の雨だったのですが、台中はお天気も良く爽やかな朝を迎えることができました。
敷地の中にある自然いっぱいのウォーターガーデンで、朝からたっぷりマイナスイオンを浴びながらお散歩もできます。池には魚が泳いでいたり、アメンボがいたり、野鳥のさえずりが聴こえたり… 本当に気持ち良い空間でした。
そんな素敵なウォーターガーデンには、広いプールも。ゆったりソファで寛げるガゼボが並んでいて、こちらも自由に利用することができます。ドリンクなども無料で提供されていて、さらに子供用の浮き輪などもレンタルができるので、夏場はプールを満喫して過ごすのが良さそうです。
さらに、連泊しておこもりステイを楽しむ方におすすめなのが、施設内で行われている参加型のアクティビティ。今回私は参加していないのですが、気功を取り入れた「氣循森呼吸」という朝の屋外での体操や、お風呂の達人による、お風呂の入り方などを学べるレッスンなども用意されていました。無料で自由に参加することができるので、おひとり様の滞在でも十分に楽しめそうです。
そして、個人的にとっても楽しみにしていた朝食! 夕食は懐石料理だったので、こちらの朝食はぜひ台湾式のものが食べたいと思っていたので、選べる3つのタイプ(台湾式・日本式・アメリカ式)から、台湾式をセレクトしました。
お粥に自由にトッピングできる色鮮やかで豊富な食材は、鮪魚鬆(魚そぼろ)や皮蛋、ピーナッツ、豆腐乳などの台湾らしいものばかり。そして何より、デザートに星のや謹製の手作り豆花と芋圓が…! トッピングの緑豆などもどれも優しく甘いお味で大満足でした。
デザートのフルーツ盛り合わせには、谷關特産の梨。しゃくしゃくして美味しい!
ちなみにアメリカ式はこんな感じ。オムレツやソーセージ、自家製パンの盛り合わせもありました。上品な味付けでとっても美味しかったです。
チーズ盛り合わせにはドライフルーツの龍眼がそえられていたり、あちこちに散りばめられた台湾スタイルが嬉しい…♡
朝からたっぷりのボリュームでエネルギーチャージしたあとは、12時のチェックアウトぎりぎりまで、宿での時間を楽しみました。午前中のアクティビティとして是非楽しんでもらいたいのが、温泉の湯上がりどころで提供される五葉松(ごようまつ)のかき氷!
五葉松といえば日本では盆栽などで使われる樹なのですが、谷關ではタイヤル族の特産品としてアイスキャンディーやドリンクなどで親しまれているそう。こちらのかき氷は五葉松の粉末が使われていたのですが、抹茶のような、でもそこまで苦味はなく、爽やかなお茶のような香りで美味しくいただけました。
星のやで提供されるスイーツなどは季節ごとに変わるものなのですが、チェックインの際に「この時間にこういうものが提供される予定ですよ〜」と教えてくれるので、それにあわせて動くと、120%楽しめるはず!宿泊の際はぜひトライしてみてくださいね。
以上、いかがでしたか?
今回実際に現地へ行くまでは「台湾の星のやって、現地に住んでいる日本人向けの場所なのかな?」なんて思っていたのですが、私が泊まったときは8割ぐらいのお客さんが台湾の方のような印象でした。皆さん、家族みんなでの旅行や記念日などで利用しているような方もいたりで、施設内は落ち着いた印象ながら、たくさんの人たちの温かい笑顔で溢れていました。
台湾の美しい自然や名産をいつもとはちょっと違ったテイストでじっくり味わえるのは、「星のや」だからこその魅力。台中の山々に囲まれた空間で心身ともにおもいっきり癒やされた一泊二日でした。
こうしてレポートを書きながら、あのゆったりとした贅沢な時間、施設のどこにいても水のせせらぎが聞こえるような大自然と一体となった空間、いつもの台湾とはひと味違う、星のやグーグァンで出会った新たな台湾の魅力を思い出し、思わずじわじわと幸せを噛み締めてしまいます(笑)。
チェックアウト間際、ライブラリースペースにあったギフトコーナーも覗いてみました。台湾の良いものを様々なブランドからセレクトしているので、星のやだけを楽しんで日本へ帰国する方も、ちょっとした台湾のお土産を揃えることはできそうです。
星のやグーグァンで実際に使われているオリジナルのアイテムを購入することもできるそう。
特別な日に、大切な人と、ぜひ一度は楽しんでみたい「星のやグーグァン」。普段の台湾旅に一泊足してみるだけでも十分満喫できますので、ぜひぜひチェックしてみてくださいね!
今回利用したVELTRAのプランはこちら▽
憧れのホテル星野リゾート「虹夕諾雅 谷關(グーグァン)」に宿泊 オプションで台中観光も可能!<1泊2日/食事付き/中国語ドライバー>
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