2017.7.14
ゴマやピーナッツなどの雑穀類を、茶葉と一緒に擂って楽しむ「客家擂茶」というお茶があるのを知っていますか?自然の甘みが美味しいだけでなく、美容効果もたっぷり!その特徴や魅力と、客家の古都である北埔老街で楽しめる”DIY”の客家擂茶をご紹介します。
初めまして!台湾大好きゲストキュレーターのMAYI(まい)です。 仕事で台湾に頻繁に行くようになってからすっかりその魅力にはまり、今では数ヶ月に一度のペースで通っています。
ところで皆さん、台湾のお茶と聞いて、どんな銘柄を思い浮かべますか?
凍頂烏龍茶や東方美人茶をはじめ、台湾には美味しいお茶がたくさんありますよね。
でも中には、定番のお茶は飲み飽きてしまった…なんて方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回私が皆さんにお薦めしたいのが、“客家(ハッカ)”と呼ばれる民族が愛飲する台湾茶「客家擂茶(ハッカレイチャ / hakka lèi chá)」です。 普通のお茶とは味も飲み方も全く異なり、健康に興味のある方、お茶通の方、少し変わった体験がしてみたいという方など、色々な方に楽しんでいただける面白いお茶なんです。 では早速、客家擂茶の魅力や楽しみ方を余すことなくご紹介していきたいと思います!
そもそも「擂茶(レイチャ)」って何?と思われる方も多いと思いますが、文字通り「擂(す)る」=「研磨する」お茶という意味なんです。 茶葉の他にゴマやピーナッツ、麦、大豆、カボチャの種などの雑穀類を一緒に擂って、粉末状にしたものをお湯で溶き、お茶として飲みます。
出典:http://www.railway.gov.tw/Jhudong/CP.aspx?sn=13455
擂茶の歴史は古く、なんと三国時代(3世紀頃!)から飲まれていたようです。 主に、台湾の桃園縣、新竹縣、苗栗縣を中心に居住している客家人に飲まれているため、「客家擂茶」と呼ばれています。
私が考える擂茶の魅力は、以下3つ!
正直、味はどうなの…?という疑問の声が聞こえてきそうなので、声を大にしてお伝えしますが、とっても美味しいです! 砂糖が入っていないのに雑穀の自然な甘みがあり、飲みやすい味です。 最近日本でも流行している、アーモンド飲料や豆乳の味に少し近いかもしれません。 ホットやアイスどちらでも楽しむことができますが、私は甘みを感じやすいホットがお気に入りです♡
自分もそうですが、台湾に来ると小籠包だったり魯肉飯だったり、気づいたらお肉類ばかり摂り過ぎて便秘気味に…なんてことはありませんか?
客家擂茶は先にもお伝えした通り、大量の雑穀が原料なので、食物繊維が豊富! 整腸作用があり、お腹の調子が気になる方に、まさにおすすめの飲み物です。
またゴマに含まれるセサミンやピーナッツに含まれるオレイン酸など、老化防止や美肌効果も期待できる栄養素も多く、まるで天然のサプリメント。実際、最近ではその効果が見直され、美容飲料として飲む人も増えてきているそうです。
なんと言ってもこのお茶の最大の特徴は「擂る」工程です。
もちろん出来上がった擂茶を購入することもできますが、これは他のお茶ではできない体験なので、ぜひ試してほしいです!記事の後半でも紹介しますが、皆でわいわいと共同でお茶を擂っていく作業は、本当に思い出になりますよ。皆でわいわいと共同でお茶を擂っていく作業は、本当に思い出になりますよ。
台北から1時間程で行くことのできる客家人の古都、北埔(ベイプー/běi bù)の茶藝館で体験できるので、ここからはアクセス方法や実際の体験内容について紹介していきますね。
客家人の古都でもある北埔は、新竹(シンジュー/xīnzhú)県にあります。台北から行くのは大変そう・・と思われそうですが、新幹線(高鐵)とバスを利用しておよそ1時間でアクセスできます。
■台北から新幹線の新竹駅まで
高鐵(新幹線)に乗って、台北駅から約35分
■新幹線の新竹駅から北埔まで
高鐵新竹駅のバス停から台湾好行バス・獅山線で「北埔老街」下車(約40分)
台湾好行バス詳細:http://jp.taiwantrip.com.tw
※好行バスは台湾鉄道の新竹駅からも乗車できます
※1日乗り放題のチケットも販売されています。途中下車して他の街も楽しみたい方におすすめです
客家擂茶の街・北埔老街には多くの茶芸館がありますが、私のおすすめはメインストリートに面した創業20年の『老街三十九號北擂茶創始店』。 とってもノスタルジックな雰囲気なお店で、店員さんの明るく元気な声が響きます。
出典:http://035803157.tw.tranews.com
ここで体験できるのが「擂茶DIY (Do It Yourself)」!
自分たちで材料を擂って客家擂茶をつくることができる名物メニューです(台湾でDIYというと”体験”という意味で使われることが多く、どのお店でも同じネーミングでメニューに載っています)。
こちらのお店の擂茶DIYは2人分で250元(約950円)、3人分で350元(約1,400円)、4人以上の場合は1人100元ずつ追加して注文することができます。お茶のほかにも、お茶受けとして炸豆干(干し豆腐)、蜜餞(ドライフルーツ)、お餅などが付いてきてかなりボリューミーなセットです。
擂茶の材料は茶葉、黒ゴマ、白ゴマ、ピーナッツ等。
店員さんの優しい指導のもと、写真のすり鉢とすり棒を使って擂っていきます。尚、店員さんは日本語は話せませんが、英語が少し通じるのと、日本語で書かれた擂茶の作り方も頂けるので中国語が話せない方もご安心下さい。
いざ!客家擂茶をDIY!
私は女子3人でチャレンジしましたが、意外に力のいる作業でなかなか大変!腕の筋肉はプルプル、汗もじんわり、良いエクササイズです。運動不足の私はもれなく翌日筋肉痛になりました(笑)。 20分程で粉末状になったところで、茶粉を加え、さらに擂っていきます。
最後は店員さんに仕上げてもらい、30分ほどで茶粉が完成。
できたばかりの茶粉にお湯を注いで、上から米香をまぶせば、客家擂茶のできあがり!
心配していた粉っぽさは一切なく、ピーナッツが香り、ほんのり甘くて癖になる味です。 自分たちで一生懸命作ったので、より美味しく感じてしまいます…♡
このDIYでは沢山の量の茶粉が出来上がりますが、もし余っても大丈夫。 お店の方が水と割ってテイクアウト用カップに入れてくれるので、持ち歩きながらお茶を1日中楽しむことができますよ。
店内ではインスタント擂茶も販売されています。可愛いデザインの袋もお土産に喜ばれそうですよね。
今回はDIYができる客家擂茶をご紹介しましたが、せっかく北埔まで来るなら、ぜひこのレトロな街の散策も楽しんでみてくださいね!
小さな可愛い老街のメインストリートには、今回ご紹介したような茶芸館はもちろん、北埔名産の干し柿・柿餅(シービン/shì bǐng)のお店が並んでいたり、地元の人が野菜を売っていたりとのどかな風景が広がっています。
出典:https://stillcarol.tw/2015-07-26-498/
こうしたお店では味見もたくさんさせてもらえるので、台湾ならではの干し柿を探してみるのも良いかも。
出典:https://stillcarol.tw/2015-07-26-498/
また、客家人の古都ということで、本場の客家料理が楽しめるお店もたくさん!
出典:https://stillcarol.tw/2015-07-26-498/
平日は人もまばらで静かですが、週末になると多くの人で賑わいます。
また街の中には「北埔慈天宮」と呼ばれる、台湾らしいお寺も。
北埔老街には今回紹介したお店以外にも沢山の茶館があり、使っている茶葉や穀物もお店によって千差万別です。色々と試して、自分に合ったお気に入りの擂茶を見つけるのも良いかも。ゆっくり見ても一時間ほどで回れる小さな老街なので、茶芸館でテイクアウトしたお茶を片手に、ぜひ街歩きしてみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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