2017.5.1
台湾で一度は見てみたい!夜空に浮かび上がる無数の幻想的なランタンの灯り。今回は台湾在住キュレーターのKikiが、ローカル線「平溪線」に乗って行くランタンフェスティバルと、途中駅として立ち寄ることができる十分や菁桐などの人気スポットを余すことなくご紹介します!
台北在住のキュレーターKikiです。
夜空に浮かび上がる無数の幻想的なランタンの灯り…台湾好きのあなたなら一度は自分の目で見たいと思ったことがあるはず…。そう、平渓ランタンフェスティバルです。
今日は平渓線の鉄道の旅の魅力と2017年ランタンフェスティバルの情報をみなさんにお届けするべく、新北市政府の協力のもと、私が実際に足を運んでまいりました!
「平渓」は台北市内から列車で1時間ちょっとの場所にあります。この地域では昔からランタンを飛ばす風習があり、旧正月が明けてから最初に迎える満月の夜である「元宵節」には、国を挙げての一大イベント、平渓ランタンフェスティバルが行われます。
ランタンは台湾で「天燈(ティエンデン/tiān dēng)」と呼ばれており、なぜこの地域でランタンが飛ばされるようになったのかは諸説あるそうです。山奥にある平渓は山賊に狙われることが多く、身の安全を仲間に知らせるためにランタンをその合図に使っていたという説や、農地の労力となる男の子がたくさん生まれるように、その願いをランタンに書いて飛ばすようになったという説もあります。
どんな説にしても、天に上る灯りは、先人たちの平和と繁栄を願う心を表していると言えますね。
今回は台北市内からの行き方を紹介します。地下鉄(MRT)から、遠距離の列車である「台鐵(タイティエ/tái tie)」に乗り換えましょうす。台鐵とは、一般的には「火車(フォチェー/huǒ chē)」と呼ばれている交通機関です。
地下鉄と火車の駅が隣接している乗り換え場所は台北駅が一般的ですが、台北駅はご存知の通り、メインステーション!駅自体が大きく、乗り場も多くて複雑です。
なので、個人的にはMRTの緑のライン、「松山駅」からの方が、乗り場が分かりやすいのでおすすめです。MRT松山駅から改札を一回出て、地下街を通って、火車の列車乗り場である「台鐵」を目指しましょう。
出典:https://news.housefun.com.tw/photo/422738102617
松山駅から台鐵で、平渓線の始発駅である「瑞芳(ルェイファン/ruì fāng)」駅まで行きます。販売機でチケットを買うこともできますし(片道50元)、ICカード「悠遊卡(ヨーヨーカ/yōu yóu kǎ)」をお持ちの方はそのままピッと改札に入ってくださいね(悠遊卡の購入は過去記事のこちらを参照)
。
瑞芳に行くのは「區間車(チュージェンチェー/qū jiān chē)」と呼ばれる各駅停車の列車なので要注意。
さらにここで、大事な注意点!
台北市内をぐるぐる走り回るMRTと違って、台鐵は列車の本数が少ないです。あらかじめ、ネットなどで時間を調べておくことをおすすめします。(時刻表はこちら)
「瑞芳」駅に着いたら、平渓線に乗り換えましょう!平渓線への乗り換えは3番ホーム。ホームの柱に貼ってあるランタンの写真が目印ですよ。
平渓線は沿線上に観光スポットが点在しています。複数駅の乗り降りをしたい方はぜひ、こちらで1日乗車券をお買い求めください。ポイントは、改札から一回外へ出てから買うこと!
また、こちらのチケット、平渓線と江ノ島電鉄が提携をしているため、なんと江ノ電1日乗車券と交換できるんです!私も、以前江ノ島へ行ったときに交換してもらったことがあります。
さぁ、列車が来ました。いざ平渓線へ搭乗です。オレンジと黄色のレトロな車体がかわいいですね。
平渓線の路線図は以下のようになっています。
出典:http://news.ltn.com.tw/news/local/paper/796437
鉄道の旅ということで、ついわくわくしてしまいますが、お目当ての場所をちゃんと回りきるための大事なポイントがあります。それは各駅で降りるたびに、必ず駅の時刻表で次の列車が何時何分に来るのか、チェックをすること!
平渓線は一日に走る列車の本数が決まっていて、時間帯によっては一時間に1本ということもしばしば。駅で時刻表をチェックして「次の電車は~時~分だから、1時間10分後に駅に戻って来よう!」というように、時間を気にしながら観光しましょう。駅を降りて街に繰り出す前のこのひと手間が、効率的に各スポットを回るためのひと工夫です。
魅力的なスポットがたくさんある平渓線、今回は<菁桐、十分、平溪>の3つの駅をご紹介します。
菁桐(ジントン/jīngtóng)は平渓線の終点の駅です。
この地域はかつて鉱石の採掘で栄え、この平渓線も鉱石の運搬に使われていた重要な鉄道でした。この駅舎も新北市指定遺跡です。駅から降りると、その歴史がうかがえる「菁桐老街」がお目見えです。レトロな小物や鉄道グッズなどが売られている雑貨屋さんや、台湾グルメなどを楽しみましょう。
この菁桐駅近辺には、願い事が書かれた竹の筒があちこちに掛けられています。
なんと昔、アイスキャンディー屋の娘に恋をした駅員さんがいて、その一途な恋はこの街に伝わる伝説となったのだそう。それを記念したイベントを開催したことから、旅人たちが願い事を竹の筒に書いていたるところにつるすようになったのだそうです。なんともロマンチックですね。
そんなロマンチックな菁桐駅ですが、大ヒットした台湾の恋愛映画「那些年,我們一起追的女孩(あの頃、君を追いかけた)」で主人公たちがデートをした場面の撮影でも使われました。
出典:http://www.hopetrip.com.hk/product/223979.html
みなさんも、菁桐で青春時代の甘酸っぱい思い出に思いを馳せてみませんか?
お次は、最近観光客にも大人気、平渓線沿線上で一番大きな駅となる十分(シーフェン/shífēn)です。駅前の「十分老街」は多くの出店と観光客でいつも大賑わい。ここでは365日いつでも、ランタンを飛ばすことができます。世界各国から来た旅人が、それぞれの言語でランタンに願い事を託します。
ランタンは願い事の種類によって色分けされています。何色にしたらいいかわからない方は、オールマイティーな白、欲張りたい方は複数色組み合わさったレインボーを選びましょう。値段はひとつ大体150〜400元(約525円〜1,400円)くらいで、単色のものより複数色組み合わさっているもののほうがすこし高めです。
ちょっと疲れたら、タピオカミルクティーを飲んで、一休み。壁には平渓線の列車の絵が施されています。
また、駅から少し離れたところにある「十分瀑布(十分の滝)」へも足を運んでみましょう。その美しさから台湾のナイアガラとも称されています。
駅から徒歩で10~15分ほどで、老街からの送迎のタクシー業者もたくさんいるのですが、天気が良ければ歩いて行くことをおすすめします。というのも、行くまでに通る吊り橋が、これまたちょっとスリリングで楽しいんです。
出典:http://travel.network.com.tw/tourguide/point/showpage/940.html
最後に紹介するのはここの地名でもある、平渓(ピンシー/píngxī)駅です。
十分に比べると、規模は小さく感じるかもしれませんが、観光客も多すぎず、ゆっくりランタンを飛ばすことができます。
おみやげにおすすめな手作りランタン。中に豆電球が入っていて、コンセントに挿して使えるランプタイプのものや、ぶら下げて楽しむ飾りタイプのものなど、いろいろあります。
さて、こちらではおすすめのグルメをご紹介します。
平渓駅にある平渓老街に来たら、「鉄道熱腸」でアツアツのソーセージを召し上がれ!
いつも長蛇の列ができていますが、待っている間もいい香りがしてきて、さらにより食欲がそそられます。特におすすめは「大腸包小腸(ダーチャンバオシャオチャン/dàchángbāoxiǎocháng)」。文字どおり「大きな腸で小さな腸を包む」というちょっと変わった名前ですが、これはお肉のソーセージを、もち米を腸詰め状にしたもので挟んだ食べ物。
ネットでは「ライスホットドッグ」とも言われています。もちもちとした食感にジューシーなソーセージ。日本では食べられない味わいで、これがまた美味しい!
こちらは、食べ歩きができるようにきれいに包まれています。右手で持って、左手でソーセージを回すようにして食べましょう。
腹ごしらえも済んだ旅の最後、わたしもランタンを飛ばしました。
色を決めたら、願い事を書きます。けっこう夢中になってしまいました。
ランタンは全部で4面あり、最初に前と後ろの2面を書いてからお店の人にひっくり返してもらい、右と左の残り2面を完成させます。願いごとをじっくり書いても30〜40分くらい見ておけば十分に楽しめます。ランタンを飛ばす際にはお店の人が記念撮影もしてくれますよ。
いよいよ、自分のランタンを飛ばします! ふわふわと揺れながら空の向こうへ消えていくランタン。とっても幻想的で綺麗…。思わずうっとりしてしまいます。
みなさんが、よいお正月を迎えられますように!
さて、最後に、2017年ランタンフェスティバルの詳細についてご紹介します。平渓ランタンフェスティバル、その名も「新北市平渓天燈節」の開催日時と場所は以下の通りです。
開催日:2017年2月11日(土)
時間:18:00~20:30
場所:十分広場(新北市平渓区南山坪136号)
イベント当日は1200個のランタンを8回に分けて大空に向けて放ちます。当日午前10時から現地にて受け付けを開始し、定員数に達した時点で受け付けを終了します。
アクセスについてですが、イベント当日は上記で紹介した列車で行く方法以外に、シャトルバスも運行しています。台北市内からであれば、MRTで茶色いラインの終点「動物園」駅前からのバスが便利ですよ。
詳しい情報は新北市の公式サイトをご覧くださいね。
・新北市政府公式サイト(日本語)最近は観光客にもすっかり人気のスポットとなった平渓エリア。ぜひ台北から足を伸ばして、遊びに行ってみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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