2026.7.24
2026年8月14日(金)公開の映画『左利きの少女』に、Howto Taiwan編集長・小伶が推薦コメントを寄稿しました。台北の夜市を舞台に、母と娘たちのままならない人生を描く本作。初の公式コメントに込めた思いや、作品の見どころ、後日公開予定のツォウ・シーチン監督インタビューについてご紹介します。
大家好〜! Howto Taiwanの小伶です。今日はビッグニュースですよ〜!
なんとこの度、2026年8月14日(金)より全国公開される映画『左利きの少女』に、推薦コメントを寄せさせていただきました。

オスカーに輝いた『ANORA アノーラ』のショーン・ベイカーが編集・製作に名を連ね、監督のツォウ・シーチンと共に脚本を手がけた『左利きの少女』。04年にベイカーと『テイクアウト』で共同監督を務め、以降はプロデューサーとして彼を支えてきたツォウ・シーチンが、満を持して単独監督デビューを飾った本作は、25年アカデミー賞®国際長編映画賞・台湾代表に選出され、同賞の最終候補15作品にリストイン。東京フィルメックスでは観客賞、ローマ国際映画祭では最高賞を受賞するなど、広く支持を集めています。
これまでHowto Taiwanでは、台湾関連のエンタメ作品についてご紹介したり、監督や俳優インタビューなどをさせていただく機会はありましたが、公式の推薦コメントを寄せさせていただくのは今回が初めて……! この度発表された絶賛コメントには、映画監督の周防正行さん、映画評論家の伊藤さとりさん、森直人さん、コラムニストの山崎まどかさん、映画ライターのよしひろまさみちさん、ライターの今祥枝さん、ISOさんらのコメントが並んでいます。
今回、私が寄せたコメントはこちらです。
台北の夜市の灯りに照らされて、母と娘のままならない人生が輝き出す。
矛盾も痛みも抱えたまま、それでも人生は愛おしい。
舞台は、台北に実在する「通化街夜市(臨江街観光夜市)」。
夜市と聞くと、おいしいグルメや賑やかな屋台、きらびやかな灯りを思い浮かべますよね。本作にも、私たちが大好きな台北の熱気や色彩が、スクリーンいっぱいに映し出されています。けれど、その灯りが照らすのは、華やかな風景だけではありません。

生活を立て直そうと奮闘するシングルマザーと、ハイティーンの姉、そして5歳の妹。思い通りには進まない暮らしや、家族のなかで語られずにきた痛み、女性たちを縛ってきた古い価値観までが、夜市の雑踏のなかから少しずつ浮かび上がってきます。
矛盾も、嘘も、間違いもある。そのことで誰かを傷つけてしまうことも……。
それでもきっと、大丈夫。私が本作を観終えたあとに残ったのは、人生はままならないからこそ、こんなにも愛おしいのかもしれない、という感覚でした。
美しい台北の夜市に満ちる熱気と生命力に圧倒される。
だがその煌びやかなネオンの光は、その社会で生きる女性たちの心を削るものまで照らしていく。
台湾の空気の中に、ショーン・ベイカーの筆致が確かに息づいていた。
ISO(ライター)
きっとこの映画から、自分の過去と向き合う人がいるはずだ。
でもそれは、心の解放へと繋がっていくから大丈夫。
「女性の生きづらさ」が継承されていることを多世代で描く感情の交換は
私達の昔と今を照らし合わせながら、心にくっきりと刻まれるはず。
だからこそ、多くの人に気づいて欲しい。
これは私達の日常に潜む物語。
少女の未来を変えられるのは、自分達の考え方次第だと。
伊藤さとり(映画評論家)
左利きへの偏見や女性を縛る価値観の中で、たくましく生きる女性たち。
世間の通念には収まらない「家族」のかたちと絆に涙し、
自分の中の先入観まで覆される幕切れには、なんとも温かい気持ちに。
ノスタルジーと活気が同居する台北の映像も相まって、後味は切なくも爽やか。
今 祥枝 (ライター/編集者)
子供と動物が出てくる映画は苦手だ。
案の定、落ち着かずに観ていたのだが、ある瞬間から全てが反転されてゆく。
その快感に酔いしれながら見終わった時、「反転」はすでにタイトルが予言していたことに気がついた。
面白かった。
周防正行(映画監督/脚本家)
我々はついにツォウ・シーチンという卓越した映画作家の存在を強く認識する。
初期の傑作『テイクアウト』以降、彼女が長年ショーン・ベイカー作品にもたらしてきた眼差しが、
この一本で見事に可視化されるのだ。
森 直人(映画評論家)
夜市の輝きは、女性たちの悲哀や切望が砕けて出来たプリズム。
安易な救いはないけれど、必死に生きる人々への優しさが涙みたいにスクリーンを満たしていた。
山崎まどか(コラムニスト)
台北のロケーションと因習、家族観がベースだけど、
今の日本にぶっ刺さる“生きづらさ”が超カラフルに描き出される。
“フロリダ・プロジェクト”と“タンジェリン”を台北から感じるなんて驚愕。
よしひろまさみち(映画ライター)
物語の主人公は、5歳の少女・イージン。
借金を抱えた母シューフェン、姉のイーアンとともに、生活を立て直すため台北へ戻ってきたイージンは、昔気質の祖父から、利き手である左手を「悪魔の手」だと叱られてしまいます。その言葉を幼い心で受け止めたイージンは、「悪いのは自分ではなく、この左手なのだ」と罪悪感を抱くように。やがて、その小さな“悪魔の手”が、家族一人ひとりの隠してきた秘密や、心の奥にしまい込んできた痛みを思いがけない形であぶり出していきます。
本作は、ツォウ・シーチン監督自身が幼い頃、祖父から右手を使うように言われた経験をもとに生まれた物語なのだそう。左利きへの偏見や古いしきたり、世代間の価値観の違いといった台湾社会の背景を描きながらも、そこで語られる家族のままならなさや女性たちの生きづらさは、日本で暮らす私たちにとっても決して他人事ではありません。
この度、日本公開に合わせて解禁された3種類の日本限定アザービジュアルは、いずれも、祖父の言葉に傷つき、自分の左手を見つめるイージンの姿を切り取ったもの。カラフルでポップな色使いでありながら、イージンの小さな胸に生まれた罪悪感や戸惑いが伝わってきて、思わず胸がぎゅっと締め付けられます。



本作で初の単独長編監督を務めたのは、台湾・台北出身のツォウ・シーチン監督。
ツォウ監督は、ショーン・ベイカー監督と『テイクアウト』を共同監督したほか、『タンジェリン』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』『レッド・ロケット』などでプロデューサーを務めてきました。
実はもともとツォウ監督&ショーン・ベイカー監督による作品の大ファンだった私……!
今回はコメントを寄せさせていただくだけでなく、ツォウ監督のインタビューもさせていただきました(感無量!)。
台北の人気夜市での撮影の舞台裏や、キャスティングにまつわるエピソード、印象に残ったとあるシーンへの思い入れや、今後撮影してみたいテーマなどなど。たくさんの気になるお話を監督に伺っています。こちらは後日 Howto Taiwan にて公開予定ですので、ぜひお楽しみに!
2026年8月14日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー!
監督:ツォウ・シーチン
脚本:ツォウ・シーチン、ショーン・ベイカー
製作/編集:ショーン・ベイカー
出演:ニーナ・イエ、マー・シーユエン、ジャネル・ツァイ
2025年/台・仏・米・英/中国語/5.1ch/スコープ/108分
英題:LEFT-HANDED GIRL/日本語字幕:神部明世
提供:スターキャット 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
映倫区分:G
公式サイト: https://cinema.starcat.co.jp/left-handed-girl/
公式X: https://x.com/lefthanded0814
©2025 LEFT-HANDED GIRL FILM PRODUCTION COMPANY LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.
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