2025.4.24
2025年4月に開幕した「大阪・関西万博」に、台湾の最先端技術が集まった「TECH WORLD館」なるパビリオンが出展しているのをご存知ですか? 本記事では、TECH WORLD のパビリオンの詳細や、限定オープン中のショップ「神農生活」情報、さらに4月22日に開催された開館式の様子もあわせてたっぷりとご紹介します!
大家好〜! 編集長の小伶です。2025年4月13日に開幕した「大阪・関西万博」。
約160ヶ国の国や地域による海外パビリオンや、テーマ館・企業館など、多様な展示が展開され、国内外から訪れる多くの人々で盛り上がっています。
そんな超話題の大阪・関西万博に、台湾の最先端技術を集結させた『TECH WORLD(テックワールド)館』なるパビリオンがあるのをご存知ですか?
施設内には万博期間限定のショップ「神農生活」もオープンし、実質の ”台湾パビリオン” としてメディアからも注目が集まる TECH WORLD館。台湾メディアの編集長としては、ぜひ体験しなくては! ということで、さっそく現地取材へ行ってきました!
本記事では、TECH WORLD館 のパビリオンの詳細やショップの情報、さらに4月22日に開催された開館式の様子をたっぷりとご紹介します♪
※本記事の内容は2025年4月22日時点での情報です
2025年4月13日(日)〜10月13日(月)の185日間限定で開催される、大阪・関西万博。大阪市此花区の人工島である夢洲(ゆめしま)が会場となっていて、その敷地面積は約155ヘクタール。なんと東京ドーム約33個分に相当するそう!(広大〜〜!)
そんな万博会場の中で、TECH WORLD館は、民間のパビリオンとして出展しています。
出展場所は「グランドリング」外周エリアとなる「W02」。東ゲート(夢洲駅側)からの所要時間は10分程度です。あちこち眺めながら入口から楽しく歩くので、実際はそこまで遠くは感じませんでした。西ゲート(駐車場側)から入った方が近いので、シャトルバスや車を利用する場合はそちらもオススメです。
詳しい位置は公式マップを参照してくださいね!
Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan 公式会場マップ(PDF)
それでは早速、パビリオンをご紹介していきます!
TECH WORLD館 は、現在(2025年4月22日時点)は事前予約制が導入されていますが、予約なしでも30分ほどの待ち時間で入場できるとのことでした(とはいえ混雑状況により変動するので、ぜひ入りたい! という方は事前予約をおすすめします!)。
近代的な雰囲気が漂う、パビリオンの外観。高くそびえる群山から着想を得た “心の山” をコンセプトにしており、建物はリサイクル可能な金属素材で作られているそう。
まずはロゴ前で記念撮影。ついに来た〜! と気持ちが高まります。
そして、早速目についたのは TECH WORLD館を案内してくれるスタッフの皆さんのユニフォーム。柔らかな色合いも含めて、なんだかとってもおしゃれですよね。
こちらのデザインは、台湾杉をモチーフにしているそう。
さらにユニフォームに使われている素材も驚きで、なんと生地にはトウモロコシの繊維と、嘉義産のカキ殻から作られた再生糸が使われているんですって! サステナブルな環境への配慮があちこちに感じられます。
スタッフの皆さん、とっても忙しい中にもかかわらず、丁寧に対応してくださり、並んでいるときに日傘を貸してくれたりと至れり尽くせりでした(感涙)。
さて、いよいよ入場です!
ワクワクしながら館内に入ると、まずは一人ひとつずつ、リストバンドが配布されました。
本パビリオンは「LIFE(生命)」「NATURE(自然)」「FUTURE(未来)」をテーマに構成されているのですが、このリストバンドをつけながら体験することで来場者の心拍数をリアルタイムで記録し、心が動いた瞬間をもとに「あなたにおすすめの台湾旅行先」をサジェストしてくれるんです! 面白い〜!
それではさっそく体験していきます。まずはスタッフさんの案内のもと、プロジェクション、電子スクリーン、光と影の変化を組み合わせた「ライフ劇場」のパフォーマンスからスタート。
大きな円柱型の電子スクリーンと、その周囲に設置されたタブレット端末(ASUS社のChromebook)に同時に映像が映し出されるのですが、この Chromebookが自由自在に動く……! その数、なんと 560台!
これには、台湾の機械メーカーが設計・製造するロボットアーム(HIWIN)の技術が使われているのだとか。これまで味わったことのない映像体験! 大地と生命を生き生きと描き、まさに ”マルチメディアパフォーマンス” と呼ぶにふさわしい演出でした。
ちなみに中心部の円柱型のスクリーンは、太くまっすぐにそびえ立つ、台湾杉をイメージしているのだとか。
そしてエレベーターを使って、2階へと上がっていきます。
え〜! 2階があるの!? と、パビリオン内がこれだけ大きな規模だということにも驚き!
2階で体験したのは、「ネイチャー劇場:六感の旅」です。
高画質4Kレーザープロジェクターを使用してアーチ型の壁にさまざまな大自然の映像を投影します。フロアを囲むようにぐるりと投影される没入型シアターなので、どの場所からも臨場感のある映像を観ることができますよ〜!
また、3大テーマのうち「自然(Nature)」にまつわるものでは、「ランの道:蝶とランの花によるバーチャルとリアルの共演」という展示もありました。実は台湾は世界有数のランの生産地で、世界のランの約1/3が、台湾から出荷されているのだとか。
こちらのランの花びらには「TECH WORLD」のロゴが印刷されていますが、こちらもナノスプレーという台湾の技術が使われているのだそう。
またランの花(実物)と、透明マイクロLEDディスプレイを組み合わせることで、ランの花の上をバーチャルの蝶が飛び交うという演出もありました。リアルとバーチャルの融合、とっても芸術的です。
そして、私が最も印象に残った展示は「都市の絵巻」と名付けられたAIギャラリー。
8K技術を使った世界最高峰のアートディスプレイで、まるで本物の美術館のようなアート空間を演出してくれます。
こちらで展示されていた絵(映像)たちは有名画家の作品をAIに学習させたもので、学習内容をもとに、過去の実際の作品と、現代の台湾での都市生活を融合させた映像を生成しているのだとか。静止しているかのような絵画作品ですが、時間とともにゆっくりと変化し、都市から田園まで、美しい景色を観ることができます。
「桃園」や「台北」「鶯歌」など、観光客にもなじみがある風景も登場しますよ〜!
TECH WORLDをすべて体験したあとに、機械にスマートウォッチをかざすと、私におすすめの台湾旅行プランを提案してくれました!
私の心が一番動いていたのは “FUTURE(未来)” だったようで、そんな私の好奇心を満たしてくれるであろう、高雄市の「国立科学工芸博物館」が提案されています。高雄は何度も訪れているのに、ここには行ったことなかったな〜! なんて、新たな旅の楽しみができました。
以上、驚きだらけの TECH WORLD 館! パビリオン内の展示をご紹介させていただきました♪
もちろん、今回ご紹介したのはほんの一部。館内にはまだまだ最先端テクノロジーを感じる展示が他にもあるのですが、その全貌はぜひ! 現地会場でお楽しみください!
さて、パビリオンを満喫したあとは、物販コーナーへ。
TECH WORLD館には、台湾好きさんにはおなじみの文化食料雑貨店「神農生活」の期間限定ショップがオープンしています!
こちらはパビリオンに併設されていて、予約なしでも自由に出入りできるので「パビリオンは予約できなかった……」という方もぜひお立ち寄りを♪
こちらの店では、台湾で昔から愛されてきたスナック菓子やドリンク、お菓子などを販売。さらに万博限定のオリジナル雑貨や、「DAYLILY」の万博限定パッケージのパイナップルケーキなども登場していますよ〜! 台湾 × 大阪万博のコラボレーション、見逃せません!
神農生活の顔!? でもある、豚の貯金箱が詰まった壁は、フォトスポットにもぴったり。
またここでは、万博限定のフードも販売されています。
台湾茶、タピオカミルクティー、肉まん、魯肉飯などのラインナップがありました。「洪瑞珍」の万博限定サンドイッチは炸醤(ジャージャン)フレーバーだったようですが、私が行ったときは残念ながら売り切れで買えず、無念……!
とっても暑い日だったので、愛文マンゴーミルクかき氷(愛文芒果雪花冰)をGET!
こちらは飲食エリアはないので、購入したものを持って大屋根リング下のベンチでいただきました。甘くてふわふわなミルク氷と、甘酸っぱい大ぶりマンゴーがたまらないっ。
こちらのお値段、 1,850円。(うーん、なるほど……)と思ってしまう値段ですが、万博会場内の飲食は全体的に高額なので感覚は麻痺しています(笑)。大混雑の万博会場内で、おいしいスイーツにありつけたことがプライスレスです!
それから一点注意ですが、万博会場では、レジ袋の配布はもちろんのこと、有料での販売も禁止されています! なので、エコバッグは必携。さらに給水スポットが各所に設置されているので、マイボトルを持参することを強くオススメしますよ〜!
さて、そんな TECH WORLD館 ですが、2025年4月22日には開幕式が開催され、今回のパビリオンを率いる台湾のIT企業「玉山デジタルテック株式会社」の名誉会長である黄志芳氏が来日。会場には多くの来賓と日台のメディアが訪れ、盛大なパフォーマンスとともに、パビリオンに込めた想いやコンセプトを発表しました。
開幕式で黄志芳氏は「より良い未来を追求する道において、TECH WORLDパビリオンは世界と共に前進している。私たちはこの美しい景色と人文風情を世界と共有し、この科学技術についてパートナーと協力していきたい」とコメント。
挨拶のあとは、世界中で活躍する台湾のコンテンポラリーダンスカンパニー「雲門舞集(クラウドゲイト・ダンスシアター)」によるパフォーマンスも披露され、生命の鼓動を感じる力強いダンスで会場を熱気に包んでいました。
本開幕式には、日本の新聞社はもちろんのこと、台湾の有名テレビ局の姿もたくさん! 今回の TECH WORLD館に多くの注目が集まっていることを改めて実感しました。
今後、TECH WORLD のパビリオンでは、6月10日には一日館長としてタレントのビビアン・スーが招かれる予定もあるそう。さらに8月8日のパビリオンデーには、ディアボロ(中国独楽)とダンスを融合させた台湾のパフォーマンスアートグループ「舞鈴劇場」を招いた大規模な舞台劇「山海天光」を上演する予定も。
こうした特別イベントも含めて、まだまだ大いに盛り上がりそうですね!
さて、最後に、せっかく現地へ赴いたので、現場で感じたことにも触れておきたいです。
まず1つ目は、多くの台湾の人たちが TECH WORLD館 の前で嬉しそうに写真を撮っていたこと。
フード物販のレジ待ちをしていたときに出会った台湾の若者と話していると、「万博のTECH WORLD館を見るために、台湾から大阪旅行に来た!」とのこと。「わざわざこのために!?」と聞くと「だって、大好きな日本で開催される万博に台湾が出るなんて、本当に嬉しいから!」と一言。
改めて、台湾に住む彼らにとって、国際博覧会という場で自分たちの存在感を世界に示すことは、とっても大きなニュースなんだという実感を持ちました。
そして2つ目は、今回台湾のパビリオンが「TECH WORLD」という名前で出展していること。
台湾は、BIE(博覧会国際事務局)に加盟していないため、いち民間企業として参加せざるをえないという背景があります。パビリオンを率いている玉山デジタルテックは、台湾発ですが、日本で登記された日本企業なので、民間名義で大阪・関西万博に参加できたという背景です(日本側から民間名義で出展しないか? と3年ほど前から声がかかっていたとのこと)。
しかし実際に現場にいると、多くの来場者が「TECH WORLD? どこかIT企業のパビリオンかな?」と話しながら「台湾」という存在には気が付かずに通り過ぎていくのを目の当たりにしました。間違ってはいないんだけど、なんだかモヤモヤ……!
それもそのはず、万博のパンフレットにも、ガイドにも、どこにも ”台湾” とは書かれてはいません。
だけど、勘の良い方はお気づきのはず。「TECH WORLD」の頭文字である「TW」とは、そういうこと。
というわけで、多くの素通りする来場者に向けて「ここは! 日本のすぐ隣の島国、みんな大好きな台湾のパビリオンやで!!!」と声を大にアピールしたい気分でした。
会見での囲み取材では、日本の多くのメディアからも、玉山デジタルテックの黄会長に対して、 ”台湾という名前で出られないことについて” の想いを聞かれていましたが、「万博というのは、国境や人と人の壁を超える場所。今回こうして出展できたのが、本当に光栄なことです」とだけ、何度も話す黄会長のコメントが心に深く残りました。
この TECH WORLD館 を体験した人たちを通じて、台湾の最先端テクノロジーと「世界とつながる」未来を世界にアピールしていけたらいいなと願わずにはいられません。
台湾テクノロジーに触れる絶好のチャンスである TECH WORLD館。
他の海外パビリオンに負けず劣らず魅力的なので、ぜひ体験してみてほしいです!
Howto TaiwanのInstagramでは、パビリオンの様子を短い動画でもご紹介しています。ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!
今まだ始まったばかりの大阪・関西万博。これからますます、世界中の人々の関心が集まることを期待しています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
※本記事の内容は2025年4月22日時点での情報です
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