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9/22(金)より全国順次公開! 性分化疾患の少年を描いた台湾発の社会派ドラマ 『I ~人に生まれて~』 リリー・ニー監督インタビュー

2023.9.19

性分化疾患(インターセックス)の少年を描いた社会派ドラマ 『I ~人に生まれて~』 (原題:生而為人/英題:Born to be Human) が、2023年9月22日(金)より全国順次公開! 本作品の監督・脚本を務めたリリー・ニーさんのインタビューをお届けします。

ある日少年は、少女になった―。
性分化疾患(インターセックス)の少年を描いた社会派ドラマ 『I ~人に生まれて~』 (原題:生而為人/英題:Born to be Human) が、2023年9月22日(金)より全国順次公開!

9/22(金)より全国順次公開! 性分化疾患の少年を描いた台湾発の社会派ドラマ 『I ~人に生まれて~』 リリー・ニー監督インタビュー

Netflix版『返校』にて主人公を演じた、李玲葦(リー・リンウェイ)が主演を務め、本作で大阪アジアン映画祭で薬師真珠賞を受賞したことでも話題になりました。 『I ~人に生まれて~』 の上映館は、東京・シネマート新宿、栃木・小山シネマロブレ、大阪・シネマート心斎橋を予定しています。最新の詳しい情報は、公式サイトよりご確認ください。

『I ~人に生まれて~』公式サイト https://i-hitoniumarete.com/

【STORY】
シーナンはゲームが好きな 14 歳の少年。ある日、彼は激しい腹痛に襲われトイレに駆け込むと、尿が血のよう に赤く染まっていた。両親と共に病院へ行くと、「性分化疾患」であると告げられる。両親はシーナンに病気の ことを伝えぬまま、性転換手術を受けることを決めてしまう。 手術後、アイデンティティに葛藤を抱えながらも、女性の「シーラン」として新しい街で生活し始めるシーナンであったが……。

9/22(金)より全国順次公開! 性分化疾患の少年を描いた台湾発の社会派ドラマ 『I ~人に生まれて~』 リリー・ニー監督インタビュー ©2021 Flying Key Movie Co., Ltd. All Rights Reserved.

9/22(金)より全国順次公開! 性分化疾患の少年を描いた台湾発の社会派ドラマ 『I ~人に生まれて~』 リリー・ニー監督インタビュー©2021 Flying Key Movie Co., Ltd. All Rights Reserved.

【INTRODUCTION】
ある日少年は、少女になったー。 自分の生き方やアイデンティティに葛藤する性分化疾患の少年を描いた、社会派ドラマ。 主演は、Netflix オリジナル作品『返校』(2020)で主人公を演じ注目を集めたリー・リンウェイ。映画初主演となる今作での演技が評価され、第16回大阪アジアン映画祭で薬師真珠賞を受賞した。2023 年の台北映画祭で複数ノミネートされている『Who’ll stop the rain(英題)』(2023)で主演を務めている。その他、『縄の呪い 2』(2020)のベラ・チェン、『夜に逃れて』(2000)のイン・ジャオトーなど実力派俳優が脇を固める。メガホンを取ったのは、アメリカの名門映画学校出身で、今作が初の長編作品となるリリー・ニー監督。大阪アジアン 映画祭、ハワイ国際映画祭、ファイブフレーバーズ映画祭などの正式出品作品。

本作の題材となっている性分化疾患は、最近ですと、今年の 6 月に中国人夫婦のことがニュースになりました。 ニュースで取り上げられたのは、6 年間子どもができない夫婦を検査したところ、夫が性分化疾患であり、男性生殖器 の発育はほぼ正常であるにもかかわらず、染色体検査の結果は女性の核型だったというケースでした。

性分化疾患とは、ヒトの6つの性のうち、性染色体、性腺、内性器、外性器のいずれかが非定型的な先天的体質を指します。本作の主人公は、外見や自認も男性でしたが、ある症状がでたことをきっかけに病院で検査をし、性分化疾患だと診断されます。ところが、両親は息子に病気のことを隠して女性化の手術を受けさせてしまいます。術後目が覚めた主人公は、アイデンティティは男性にも関わらず、体は女性になっており、その事実を受け入れることができずにふさ ぎ込んでしまうというところから物語は始まります。 近年では、疾患名や体の状態を隠さずに本人へ全面開示することが国際基準となっているそうです。ですが、保護者や医療従事者が子どもを傷つけたくないという配慮から、説明を躊躇することも事実なので、本作の両親の行動や気持ちも一概には悪いと言えない部分もあります。インターセックスであることを公表している著名人も多くいます。この映画をきっかけに【性分化疾患】のことを知 っていただければと思います。

リリー・ニー監督にコメントをいただきました!

9/22(金)より全国順次公開! 性分化疾患の少年を描いた台湾発の社会派ドラマ 『I ~人に生まれて~』 リリー・ニー監督インタビュー

本作品を実際に拝見させていただいた上で、監督のリリー・ニーさんにメールにて簡単なインタビューを行いました。以下、監督からのコメントです。

ー 監督自身に「インターセックス」である友人がいることが、本作品が誕生した大きなきっかけだと聞きました。そのご友人はこの作品を見られたのでしょうか。

脚本は読んでいますが、まだ映画は観てもらっていません。友人は性別適合手術を受ける必要がなかったので、手術後の話は私の想像でしかありません。

ー 監督自身が歌われている、本作のエンディングテーマに込めた想いを教えてください。

非常に光栄でした。エグゼクティブプロデューサーの易家揚(イー・ジャヤン)さんは長年、私が助言をいただいてきた方でもあります。主題歌の歌詞も書いてくださりました。音楽の師匠であるリー・ウェイソンさんには作曲をしていただきました。お2人と仕事ができたことは、この上ない喜びです。

リリー・ニー監督が歌う、映画エンディングテーマ『綠一字』

ー 観客に対して、作品を通して伝えたいメッセージはありますか。

一番伝えたいメッセージは、性別適合手術をやめるべきだということです。手術によって「治療」されたり、「正常化」されたりするべきではないのです。

ー「特別じゃなくていい、普通がいい」と言ったシーナン(シーラン)の言葉が胸に刺さりました。シーナン(シーラン)にとっての幸せな結末は何だったと監督は感じますか?

理想を言えば、シーナン(シーラン)が性別適合手術を受けずに済むことでしょう。性分化疾患であろうと、変わらずに人々はシーナン(シーラン)に敬意を持って接すると思います。特別な人などいません。私たちは皆、人間なのです。

9/22(金)より全国順次公開! 性分化疾患の少年を描いた台湾発の社会派ドラマ 『I ~人に生まれて~』 リリー・ニー監督インタビュー

監督・脚本:リリー・ニー
出演:リー・リンウェイ、ベラ・チェン、イン・ジャオトー
エグゼクティブプロデューサー:イー・ジャヤン ラインプロデューサー:ドン・ディンアン
2021 年/台湾/カラー/シネスコ/5.1ch/105 分/中国語/字幕:古川 裕/字幕協力:大阪アジアン映画祭/原題: 生而為人/英題:Born to be Human/配給:ライツキューブ
©2021 Flying Key Movie Co., Ltd. All Rights Reserved.

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