2026.1.21
国際ロマンス詐欺に遭ったアラフォー女性の恋と人生を描く、台湾映画『サリー』(原題:莎莉)が、2026年1月16日(金)より日本で公開されました! 本作品の公開を記念して、Howto Taiwan では本作の監督を務めた練建宏さんにインタビューをさせていただきました。作品が生まれたきっかけや配役の決定、撮影現場の裏側など、制作にまつわるあれこれを根掘り葉掘り聞いてきましたよ〜!
40歳を⽬前にした独⾝⼥性がマッチングアプリで出会った“運命の⼈”を追ってパリへ──。
国際ロマンス詐欺という深刻化するテーマを題材にしながらも、台湾で注目を集める魅力的なキャストと引き込まれる脚本で、愛らしく心温まる作品に仕上がった台湾映画『サリー』が、2026年1月16日(金)より全国の劇場で公開されています!

2026年1月7日に開催された先行特別上映会では、編集長の小伶も上映後のトークショーに登壇させていただいたりと、個人的にも全力応援している作品です。
現在は、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国の劇場で順次公開中! 上映館などの最新状況は、ぜひ 公式サイト の劇場ページをご覧ください。
「サリー」関連リンク
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そんな大注目作品の日本公開を記念して、Howto Taiwanでは、監督の練建宏さんにインタビューをさせていただきました。本作はどのようにして誕生したのか? 魅力的な俳優陣のキャスティングや、台湾とフランスでの撮影の裏側、キュートな動物たちとの心ときめくエピソード ーー 。さらに作品のテーマである “ 自分を愛すること ” についても、監督の想いを聞いてきましたよ〜!
監督のユーモアが光る楽しいコメントがいっぱい! ぜひ最後までご覧ください!
※ インタビュー内に、映画の内容に触れている箇所があります!ネタバレしたくない方はご注意ください

練建宏(リエン・ジエンホン)監督 プロフィール
1982年、台湾・台北生まれ。淡江大学文学部マスコミュニケーション学科卒業、世新大学大学院放送映画学部卒業。2011 年、プロデューサーからキャリアをスタートし、2012年には短編第一作『熱線 1999』が台湾の短編映画アワードである金穗獎にノミネート。2017年に作ったテレビ映画『TMD 天堂』は台湾のエミー賞と称される金鐘獎の5部門にノミネートされた。本作で映画⻑編デビューを果たす。
ー まずは初めに、本作を監督することになったきっかけについて教えてください。
台湾で「ロマンス詐欺」に関するニュースを見たことが、この作品を作るきっかけでした。銀行や郵便局で、警察が被害に遭いそうな人を必死に説得する様子が報道されていたのですが、私はそれを見て「騙された人は本当に悪いことをしたのだろうか?」と疑問に思ったんです。その人はただ、「誰かに愛されている」と信じただけだったのに……。
私が一番気になったのは、その人が銀行を出たあと、「騙された」という出来事をどう受け止めるのか? ということでした。失恋だと感じるのか、自分を責めるのか、それともそれでも愛を信じ続けるのかーー。その問いが、この物語の出発点になりました。
ー ロマンス詐欺という深刻なテーマを扱っている作品ではありますが、本作に登場する人々がみんなとっても魅力的だったのが印象的でした。キャスティングは大変でしたか?
サリーを演じた、主演の劉品言(エスター・リウ)さんのキャスティングについては、実はすぐに決まったわけではありません。台湾には30〜40代の素晴らしい女優さんがたくさんいますが、「サリーとして観客に受け入れてもらえる存在」を見つけるのはとても難しかったです。私だけでなく、投資家やプロデューサー、先輩たちからもさまざまな候補が挙がりました。
そんな中で劉品言さんを選んだのは、彼女が出演していたNetflixシリーズ『華燈初上 -夜を生きる女たち-』を観たことがきっかけでした。作品の中で重要な役を演じ、多くの人に愛される存在だった彼女と実際に話してみて、この物語に強く共感してくれていること、そして何より、この作品のために時間を惜しまない覚悟を感じたんです。

彼女にとっても、この作品は人生の中で大切な一本になる。そう確信できたからこそ、最終的な決断はとても早かったと思います。
ー 劉品言さん、台湾の田舎もパリの都会も同時に似合っていて、役にぴったりだと思いました! それから、サリーの弟の幼馴染を演じたのは、台湾の人気ラッパーの李英宏(リー・インホン)さんですよね。もともとはカメオ出演の予定と聞きましたが……?
はい。当初は李英宏さんを俳優として起用するつもりはありませんでした。ただ僕は2018年にヒットした台湾映画「誰先愛上他的(先に愛した人)」で李英宏さんを知って以来、彼の音楽やパフォーマンスが大好きだったので、最初は映画の音楽をお願いしたんです。
でも一緒に仕事をする中で、彼にはとても独特で魅力的なユーモアがあると感じるようになりました。そこで最初は、サリーが英語を勉強するシーンに「英語教師役」として、カメオ出演してもらおうと考えたんです。ただ、考えれば考えるほど、それでは彼の魅力を活かしきれない気がしてしまって。あまりにも無駄遣いなんじゃないか?って(笑)。

そこで思いきって、もう少し大きな役をお願いしてみたところ、彼はすぐに引き受けてくれました。本当に気持ちのいい人で、「きっと本当は前から演じてみたかったんじゃないかな」と感じましたね(笑)。結果的に、彼にとって人生初の助演男優賞ノミネートにもつながって、とても印象深いキャスティングになりました。
ー そんな裏話があったのですね! その他のキャストの皆さんについてはどうですか? 皆さんすごく仲が良さそうで、本当の親族のような空気を感じました。
キャストが決まったあと、劉品言さん、林柏宏(リン・ボーホン)さん、唐永勳(タン・ヨンシュイ)さんの3人には、撮影前からできるだけ距離を縮めてもらいたいと思っていました。特に姪のシンルーを演じた唐永勳さんは、撮影当時まだ高校2年生で、芸能界の経験もほとんどなく、他のキャストとも面識がなかったんです。

そこで、ロケ地となった台中にみんなで住み込み、約1か月間一緒に生活してもらいました。林柏宏さんは卵拾い、唐永勳さんは草取り、劉品言さんは鶏の世話といったように、毎日それぞれ役割を分担して、まるで当番制のように過ごしてもらったんですよ。
ー 実際の鶏舎で鶏の世話までしていたんですか!? それも一ヶ月……!
なかなかできない経験ですよね。
そうするうちに自然とみんなの距離が縮まり、永勳さんも他の2人を「先輩俳優」ではなく、本当の兄や姉のように接するようになっていきました。その関係性が、そのまま演技にも表れていたと思います。
俳優の皆さんが、時間を惜しまずこうした生活に参加してくれたことには本当に感謝しています。私自身も彼らと一緒に台中で暮らしたことで、場所や空気感をより深く理解することができましたし、チーム全体にとって大切な時間になりました。
ー ”養鶏場を営む女性が、LINEのヒヨコのキャラクター(サリー)という名前を使ってマッチングアプリを始める” というのが微笑ましかったのですが、サリーの職業を養鶏業にしたのは、どんな理由からなんでしょうか?
物語を書く段階で、この作品は最初から「主人公である女性の視点」で描こうと決めていました。ただ、彼女の職業については、プロデューサーやワークショップの講師の方々とかなり長い時間をかけて議論したんです。
自分自身が脚本を書くためにしばらく台湾の田舎に滞在する中で、調べていくうちに、台湾では多くの農家がごく自然に鶏を飼っていることを知ったんです。鶏は卵を産むので、生活の一部であり、感覚としてはペットに近い存在でもあります。実際、私も毎朝、鶏の鳴き声で目を覚ましていました(笑)。
さらに調べていくと、養鶏は一人でも何千羽もの鶏を管理できる仕事で、意外と人の手をそれほど必要としない一方、鳥インフルエンザなどの感染症を防ぐために、外部との接触を極力避けなければならないという側面もあることが分かりました。

それを知って、養鶏という仕事は、サリーという人物にとても合っていると感じたんです。
彼女は多くの人と頻繁に関わることができず、自然と一人で過ごす時間が長くなる。その孤独な環境が、彼女の内面と向き合う物語にぴったりだと思いました。
こうしたリサーチを通して「養鶏」という設定が生まれました。
そして「養鶏」を先に決めたあとで、あの有名なヒヨコのキャラクターと同じ「サリー」という名前をつけました。作品のタイトルもそこから生まれたんですよ。
ー 緻密なリサーチに基づいてできた設定だったのですね! どうりで説得力のある作品だなあと思いました。サリーの養鶏場があったロケ地は台中とのことですが、この場所を選んだ理由はありますか?
台中を舞台に選んだ理由の一つは、林柏宏さんも劉品言さんも台中出身だったことです。台湾各地を検討しましたが、最終的に台中が最も作品に合っていると感じました。
また撮影の中心となった家も、偶然とても良いご縁で見つかりました。家主の方は30代の若い方で、約3か月間自宅を使うことにも快く応じてくれて、しかも同じ家に住みながら撮影に参加してくれたんです。そうした人との出会いも含めて、台中での撮影はとても特別な経験になりましたね。
ー 本作は台湾とパリの両方で撮影されていますが、特に印象的だったことはありますか?

台湾とパリ、両方で撮影してみて、一番印象に残っているのは「映画の作り方に対する姿勢の違い」でした。台湾では撮影スケジュールがとてもタイトで、何時から何時までに何を撮るかが分単位で決まっていて、昼食や夕食も30分。監督チームは食事をしながら次の打ち合わせをするのが当たり前で、とにかくスピード感重視です。
一方でフランスでは、映画作りを「創作であり、楽しむもの」と捉えている印象でした。
食事時間はきっちり1時間、朝はまずコーヒーを飲んでから仕事が始まります。最初は「その分、撮影時間が減ってしまうのでは?」と不安でしたが、2日目以降は私たちもそのペースに慣れ、同じようにコーヒーを飲み、しっかり休みながら撮影するようになりました。その経験を通して、映画作りは必ずしも常に追い立てられるようなものではなく、もっと余裕を持って向き合うこともできるのだと感じました。ただ、そのやり方をそのまま台湾に持ち帰るのは難しいのですが(笑)。
撮影日数は台湾で約1か月、フランスでは6日間でしたが、フランスには「3日撮影したら1日休む」という労働ルールがあり、スケジュール的にはかなり制約もありました。でもその分「撮れるものを受け入れる」という気持ちで臨むようになりました。
アジアとヨーロッパでは、撮影のリズムも価値観も大きく違う。その違いを体感できたこと自体が、とても大きな学びだったと思います。
ー 映画監督としても、ひとつの大きな学びになったのですね。 ほかに、撮影全体を通して印象的だったことがあれば教えてください。
撮影全体を通して一番印象に残っているのは、撮影初日に起きた、犬の「番薯(サツマイモ)」の出来事です。初日の最初のカットで、番薯を山の斜面に放した瞬間、彼はとにかく嬉しそうに走り出してしまって。鶏たちと一緒に駆け回り、完全に制御不能な状態になってしまいました。
番薯自身は遊んでいるつもりだったのですが、鶏たちは驚いてしまい、犬がどこにいるかは、鶏の鳴き声でしか分からないほどでした。結局、彼が満足して戻ってくるまで、20分ほどみんなで待つことになって。「これから毎回こんな感じだったらどうしよう」と思ったのですが、最終的に、撮影前にあらかじめ20分ほど自由に走らせて、疲れてから撮影に入る、という方法に落ち着きました(笑)。
番薯は、動物俳優を専門にトレーニングする先生が連れてきてくれた犬だったのですが、実はもともとは保護された野良犬でした。番薯は撮影が進むうちに、ロケ地の家にもすっかり馴染んでいて、なんと『サリー』の撮影後には、その家の持ち主が正式に番薯を引き取ってくれることになったんですよ!

なので、番薯は今でもあの場所で元気に暮らしています。
今はもう俳優業は引退しているかもしれませんが(笑)、私たちにとって忘れられない存在になりましたね。
ー なんて素敵なエピソード! とっても素敵です。それにしても犬も鶏も、なかなか演じるのは難しいことだと思うのですが、養鶏場での撮影は大変だったのではないですか?
犬はもちろんのこと、実は鶏についても、かなり慎重に選びました。
撮影場所のすぐ隣が本物の養鶏場だったので、サリーが鶏と関わるシーンの一部は、実際にその養鶏場の山の斜面で撮影しています。ただ、家の近くで撮る必要がある場面もあったので、そこには別の鶏たちに来てもらいました。
その鶏たちも、ちゃんと “オーディション” を通過したメンバーです。
人をあまり怖がらない鶏を基準にして、劉品言さん自身にも選んでもらいました。「出演してくれますか?」と声をかけてみて、特に反応がなければ「出演OK」ということで(笑)。
彼らは卵を産むために大切に育てられている鶏で、飼い主さんもペットのように接しているため、とても人慣れしていました。そのおかげで、サリーと一緒に歩いたり、同じ空間で生活しているようなシーンも、無理なく撮影することができましたね。
ー 本作を観ていて、気になったことが2つありました。台湾エンタメ好きなら気付いたかもしれませんが、サリーの姪っ子の名前が「林芯茹(リン・シンルー)」だったこと。 これは劉品言が出演した大ヒットドラマ「華燈初上 -夜を生きる女たち-」で主人公を務めた女優さん(林心如)と同じ名前ですよね。これはわざとですか?(笑)
あはは。実は私自身も、最初に脚本を読み返したときに気づきました。姪っ子の名前が「林芯茹」で、どうしても有名な女優の林心如さんを連想してしまうな、と。
脚本を書いた時点では、まだ劉品言さんに出演をお願いしていなかったので、その名前を使ったのも特別な意図があったわけではありません。あとから「名前を変えたほうがいいのでは?」と聞かれたこともあったのですが、すっかり忘れてしまっていて(笑)、修正しないまま進んでしまいました。
その後、劉品言さん本人に相談してみたところ、彼女は林心如さんと実際にとても仲が良く「劇中でそう呼ばれても全然問題ないし、むしろいいと思う」と言ってくれたんです。それを聞いて、最終的に名前は変えず、そのまま使うことにしました。
ー そんな裏話があったんですね! それからもう一つ気になったことがあって……。
サリーのおばさんが見合い相手に勧める男性の写真の中に、台湾人の俳優であり歌手でもある「馬念先」の写真があったこと(笑)。日本の観客で気づく人は少ないかもしれませんが、おもわずクスッとしてしまいました!
よく気が付きましたね! 実は、馬念先さんにはカメオ出演を依頼していて、当初は医師役として登場するシーンがあり、セリフのやり取りも撮影していたのですが、最終的にそのシーンはカットされて、今は特典映像として収録されています。
馬念先さんは、台湾ではとても個性的な存在感のある俳優・アーティストなので、最初は医師役としてお願いしようと思っていました。ただ考えていくうちに「写真だけで登場する相手」として出てくるほうが、より面白いのではないかと感じたんです。
そこで、彼に「お見合い相手の写真として使わせてもらってもいい?」と聞いたところ、快くOKしてくれて、そのまま使わせてもらいました。彼のことを知っている人が写真を見れば思わず笑ってしまいますし、知らない人でも「なんだかすごく印象に残る顔だな」と感じると思います。あのシーンは、完全に遊び心から生まれた演出でした。
ー 本作を通じて監督自身が学んだことや、監督として成長したな、と感じることはありますか?
この作品は、最初は「詐欺」を題材にした物語として書き始めましたが、振り返ってみると、最終的には「自分自身を知ること」の物語になりました。この数年、私自身も、何が好きで何が好きではないのか? 人生の中でどんな選択をしたいのか? について考えることがあり、主人公のサリーと同じように、さまざまな人生の段階や選択に向き合ってきたと思います。
この映画を完成させたことで、私自身にも大きな変化がありました。
落ち込んだときや迷ったとき、「次にどう進めばいいのか分からない」と感じたときに、私はこの映画を作っていた頃の自分を思い出すことができるようになったんです。
当時の私はどうやって決断していたのか、慧君(フイジュン)やサリーがどうやってこの作品を完成させてくれたのかを思い返すことで、もう一度「自分が何を大切にしているのか」という、純粋な視点に戻ることができます。それが、この作品が私に与えてくれた一番の成長ですね。
また、この作品を語るうえで、劉品言さんの存在は欠かせません。脚本が完成したあとも、私たちは一語一句を確認しながら、脚本の段階からずっと話し合い、共有してきました。その中には、30代の女性としての彼女自身の視点や人生経験が色濃く反映されてると思います。
私は自分自身を重ねてこの物語を描いていた一方で、彼女の人生の一部にも触れさせてもらっていた。その相互作用こそが、この作品をより深いものにしてくれたのだと。この作品がなければ、おそらく一生出会うことはなかったと思いますが、『サリー』をきっかけに知り合い、今ではとても大切な友人になりました。彼女は10代の頃から芸能界で活動していて、私が経験したことのない人生を歩んできた人です。そんな彼女が、自分の人生の一部をこの作品に重ねてくれたことには、心から感謝しています。
ー この作品自体が、監督が悩んだときに立ち返る原点のようなものになっているんですね。本作では「自分自身を愛すること」も重要なテーマになっていると思いますが、監督にとって自分を愛するとはどういうことでしょうか?
私にとって「自分を愛する」というのは、自分を無条件に肯定することではありません。
むしろ、自分が何を好きで、何が好きではないのかをきちんと理解し、その上で選択していくことだと思っています。
人生にはいくつもの段階や分岐点がありますが、そのたびに周囲の期待や不安に流されるのではなく、「今の自分はどう感じているのか」「本当はどうしたいのか」に立ち返ること。それが、自分を大切にすることにつながるのではないでしょうか。この作品を作る過程で、私自身も迷いや戸惑いをたくさん経験しました。でも、そのたびに「自分はなぜこの物語を書こうと思ったのか」を思い出し、もう一度自分の気持ちを信じることで、前に進むことができました。
だからこの映画が伝えたい「自分を愛する」ということは、完璧になることでも、強くなることでもなく、迷いながらでも自分の感情や選択に誠実でい続けることなのだと思います。
ー 今後もさまざまなテーマの作品を描いていくかと思いますが、挑戦してみたいテーマなどはありますか?
最近まで映画制作から少し離れて、会社員として働いていました。
自分としては、2026年から改めて、2本目となる長編映画の脚本を書き始めたいと考えています。今後もテーマは変わらず、自分の身の回りの生活や日常の中で感じたことをもとにした物語を描いていきたいですね。
自分自身が心から共感できること、実感を持って語れることを大切にしたいので、作品のトーンはこれからもリアリズム寄りになると思います。特に「家族の関係」は、私にとってとても大切で、これからも向き合っていきたいテーマです。まずは、しっかりと一本の脚本を書き上げて、また次の作品を撮る機会につなげていけたらと思っています。
ー 今回本作が日本で公開されることについて、なにか特別な想いはありますか?
この作品の脚本を書き始めたのは2018年でした。撮影は2022年、編集まで含めて完成したのは2023年ですが、2026年の今になっても、またこの映画を見返す機会があることをとても楽しみにしています。特に、日本で観客のみなさんと一緒に映画を観られることは、私にとって特別な体験になると思っています。
日本の配給会社の方々が、かわいらしいポスターなどをたくさん用意してくださったことにも感謝していますし、日本版の予告編を観たときは、とても印象が変わったと感じました。台湾版の予告編は、どちらかというとコメディ寄りで、明るく楽しい作品という印象でしたが、日本版はより「可愛らしさ」や物語のやさしさが伝わる編集になっていて、とても素敵だなと嬉しく感じています。
だからこそ、日本の観客がこの物語をどんなふうに受け取ってくれるのか、とても興味があります。この映画が、気持ちを少しでもリラックスさせてくれるだけでなく、台湾という場所をより身近に感じるきっかけになれば、とも思っています。
台湾の都市部は知られていても、農村の暮らしに触れる機会は、なかなか多くないと思います。この作品を通して、台湾が好きな日本の方々に、また違った台湾の一面を知ってもらえたら嬉しいですね。

ついに巡り会えた運命の⼈は、国際ロマンス詐欺師!?
気がつけば 38 歳独⾝ ✕ 地⽅暮らしのサリーが“⼤切なもの”を⾒つけるまで

台湾の⼭間部でファームを営む 38 歳の⼥性、フイジュン。⻑年⾯倒を⾒てきた弟の結婚式を間近に控えている。独り⾝のフイジュンを案ずる叔⺟からは結婚を急かされてうんざり気味。そんな中、姪から半ば強引にマッチングアプリに登録されたフイジュンは、 “サリー”というニックネームでアプリを始めてみることに。早速、 パリで画廊を営むフランス⼈、マーティンと知り合い、求愛される。周囲からはロマンス詐欺だと警告されるが、フイジュンは真実の愛を確かめるため単⾝パリへと向かう…。
監督は、短編やテレビ映画でキャリアを築き、本作で⻑編デビューを果たした練建宏(リエン・ジエンホン)。台湾でも後を絶たないロマンス詐欺のニュースに⼼を痛め、被害に遭った⼈や家族を取材。6年の歳⽉をかけて台湾とフランスを舞台にした映画を完成させた。
共同脚本には「⽗の初七⽇」などで知られる台湾のベストセラー作家、劉梓潔(エッセイ・リウ)が参加し、等⾝⼤のアラフォー⼥性を魅⼒的に描き出している。

監督・脚本:リエン・ジエンホン
共同脚本:エッセイ・リウ(『父の初七日』原作・監督・脚本)
出演:エスター・リウ(「華燈初上−夜を生きる女たち−」)、リン・ボーホン(『僕と幽霊が家族になった件』)、リー・インホン(DJ Didilong)、ヤン・リーイン(『冬冬の夏休み』)、タン・ヨンシュイ(『キャンドルスティック』)
2023年|台湾・フランス|105 分|中国語・英語・フランス語
字幕:日本語|協力:大阪アジアン映画祭|後援:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター
配給・宣伝:アニモプロデュース
© 2023 ENLA Media Limited, The Graduate Co., Ltd., Bole Film Co., Ltd. and Lien Chien Hung All Rights Reserved
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