客家文化の伝統と歴史をめぐる旅、屏東・佳冬でレトロな街を歩いてみよう

2018.7.27

客家民族の集落として知られる屏東・佳冬。ガイドにはなかなか載っていませんが、歴史的な古蹟や客家文化がぎゅっと詰まっていることで知られる貴重な街なんです。客家文化に触れられる建築物から美味しい客家グルメまで!編集長が体験してきた佳冬の魅力をお届けします。

大家好!編集長の小伶(しゃおりん)です。
台湾好きな皆さんなら、きっと「客家(はっか)」という言葉を聞いたことがある人も多いはず。客家といえば、美味しい “客家料理” や “客家花布” が有名ですが、中国大陸から台湾本島へ移住してきた客家民族のことを指します。

移住しては土地をめぐって先住の人々と争い、台湾本島の中で移動を繰り返しながら各地に集落をつくった客家民族。そうしてできた集落として「新竹」や「苗栗」が有名ですが、実は台湾の最南端・屏東県にも、多くの客家の集落があるんです。

今回ご紹介する「佳冬(ジァドン/jiādōng)」と呼ばれるエリアもそのうちの一つ。

なかなかガイドブックには載らないような小さな街ですが、地元の客家民族の人たちの努力によって、かつての伝統的な建築物などがそのまま残っているのが佳冬のすごいところ。まだまだ観光地化されていないからこその魅力をたっぷりと堪能できました。

というわけで今回は、実際に行ってみた佳冬エリアの街歩きのポイントと、ディープな台湾好きさんにぜひチェックしていただきたいおすすめ情報をまとめて紹介します♪

客家の文化が残る「佳冬」ってどんなところ?

そもそも「佳冬」とは、台湾最南端の屏東県にある郷の名前。
屏東県といえば、「墾丁」などの最南端のリゾートのイメージが強いですが、より高雄に近い一帯は、今も客家民族の集落として当時のままの街並みが残っています。

屏東県のリゾート「墾丁」についてはこちらの記事もチェックしてみてくださいね♪

台湾鉄道の「佳冬」駅からアクセスするのが一般的ですが、高雄駅から墾丁方面に向かって出発している「墾丁列車」と呼ばれる高速バス(9177番)でもこのエリアへやってくることができますよ◎

2時間ほどで主要なスポットもぐるっと一周巡れるような規模なので、墾丁へ行く道すがら立ち寄ってみるのも楽しいかもしれません。

今回巡ったのは、主に「六根村(リゥゲンツン/liùgēncūn)」と呼ばれる佳冬郷にある村。
歴史や伝統をよく知る地元のガイドさんなどもいますので、中国語が分かる方は事前にガイドを手配して行くのもおすすめ。それぞれの土地を巡る物語など、こってり解説してくれますよ(今回お世話になったガイドさんはこちら。1600元で一緒に街を案内しながらあちこち説明してくれました!)。

壁面があざやかに彩られた「詩人の道」は、その名のとおり、様々な客家の詩人による作品が描かれています。なかには客家語で書かれているものもありました。

客家の人たちは先住民族の攻撃から逃れて内陸部へ移動し、大自然の中で苦労しながらも団結して街を切り開いてきた民族。そのため、こうした街や住居のあちこちに「苦労に耐える」「一生懸命、真面目に働く」「同族を大事にする」などの教訓が目立っていました。

ふらっと歩いていると、こんな雰囲気たっぷりの床屋さんも(もちろん営業中です)!
日本統治時代からある店だそうで、この村で昔から続く日常が感じられます。

さりげなく「客家花布」をあしらった民族衣装の壁画も!

街に並ぶ家のほとんどは客家民族のお家。今回写真におさめたお家のほとんどでは、ドアなどにさりげなく「五福符(ウーフゥフ/wǔfúfú)」と呼ばれる赤い切り絵のようなものが飾られているのが見えました。

これは客家民族にとって縁起の良い飾りのようなもので、様々な切り絵でお祝いの言葉を表現しているのだとか。ガイドさんによると「客家民族はどちらかというと保守的で、喜びやお祝いを言葉で表現することが苦手だった。だからこそ、こうした切り絵の手法で自分の気持ちを表現したんです」とのこと。

なるほど〜 そんな意味があったのか! ついついこの「五福符」の細やかなデザインまでチェックしてしまいます。たしかによく見ると、それぞれのお宅で切り絵のデザインも違う〜!面白いな〜。

ほかにも、客家民族の住居によく見られるこちらのすだれのようなもの。
外からは見えないけれど、中からはよく見える特別な技術が使われています。

さらにこちらは、街歩きの最中に見かけた「敬字亭(jìngzìtíng)」と呼ばれる炉。
これは日本では「惜字炉(せきじろ)」と呼ばれるもので、人間の貴重な能力である “字を書く” という行為を敬って、本や手紙など文字の書かれた不要なものだけを燃やすための炉なのだとか。

こうした歴史的な施設や風習が街のあちこちに散りばめられている佳冬郷。
まるで街全体が大きな歴史記念館のよう!施設の中で見るのとは違って、まさにそこに文化が息づいているのを感じます。

佳冬に行ったらここをチェック!おすすめ街歩きスポット

ここからは、佳冬を街歩きするならぜひ押さえておきたい!有名スポットをご紹介していきます。いずれもゆったりした舗道の中にある施設なので、駅からのんびり佳冬の景色を楽しみつつ回るのがおすすめですよ〜!

○楊氏宗祠(ヤンシーゾンツー/yángshì zōngcí)

こちらは国が指定している古蹟で、1923年(大正十二年)に竣工された建物。客家の伝統的な四合院のつくりで、今は綺麗に改修されて観光客が自由に散策できるようになっています。建物の端々にほどこされた装飾がとっても細やか!ついつい一つずつ観察したくなっちゃいます。

美しい庭園には玉蘭花が咲いていたりと、ゆったり散策できる観光スポットになっています。

○張家商樓(ジャンジアーシャンロウ/zhāng jiā shānglóu)

続いては「詩人の道」の中にある、当時の百貨店である「張家商樓」。
ちょうど道の角にある建物なので「佳冬最美麗的轉角(佳冬でもっとも美しい曲がり角)」とも呼ばれています。張さんという方が、生活に必要なものや子ども向けのお菓子などを売っていた場所で、街中の人たちが集まる憩いの場になっていたのだとか。

この村で唯一の2階建ての施設で、初めてテレビが設置された場所でもあるのだそう。当時は毎日夜になると村民たちがここへやってきて、皆で歌を聞いたり野球の試合を見たりしていたんですって。素敵だなあ〜。

現在は客家文化の資料館のようになっていて、靴を脱いで2階にあがることもできますよ。日本人の学者も沢山訪れていると聞きました。

○蕭家古厝(シャオジアーグーツオ/xiāojiā gǔcuò)

こちらも国が指定した古蹟となっている「蕭家古厝」。 入場料(大人50元/子供30元)のある施設ですが、佳冬に行かれた際はぜひ散策を!

中はかなり広く、当時この家に住んでいた人たちの生活が伺えます。

壁にかかった額をよくよく見ると日本語…!?なんとこれ、早稲田大学の修了証でした。お隣には旧制長崎医科大学の学位記。どうやらこの家に住んでいた蕭さんはお医者さんで、日本の大学へも通っていたそう。

当時の家がそのまま残っているようで、ちょっと圧倒されちゃいます。

ここはキッチンの隣にあった物置のようなお部屋。手前に散らばっているカラフルなものは昔の博打のようなゲームに使ったという紙札。

さらに戸棚には古びた陶器が当時のままで置いてあったり。オシャレな台湾の雑貨屋さんで売っていそうな食器たち、本来はこんなふうに生活の中で使われていたものなんですね。

いまのような家族単位ではなく、同じ姓をもつ集団で生活していたといわれる客家民族。大人数でこの食器を使い、大きな食卓を囲っていたのかしら?

実際にこの家で生活していたというおばあちゃま。さりげなく腰掛けているベッドのタイルも可愛い!

この一帯には、日本統治時代の軍隊の拠点などもあったそうで、そのため客家民族からは多くのお医者さんが輩出されたのだとか。その昔、日本語教育を受けていたおじいちゃん、おばあちゃんにも沢山出会いました。皆さん私たちが日本人だと分かると嬉しそうに日本語で話しかけてくれました。とっても綺麗な日本語を話されていたのが印象的。

客家の集落で食べるならやっぱり客家料理!田螺にも挑戦!?

さて、街歩きをしているとやっぱりお腹がすくもの!
ぜひ佳冬に来たからには「客家料理」を食べていただきたいのですが、地元の方のおすすめはこちらのお店。店名は「阿蘭田螺(アラン ティエンルオ/ālán tiánluó)」。名前の通り、なんとこちらは「田螺(タニシ)」が食べられるお店なのです〜!

ドキッとする外観ですが、人気店ですのでご安心を!(笑) 壁に書かれた簡単なメニューから食べたいものを選び、白ごはんを片手に食べる「熱炒」のようなスタイルです。

早速、田螺(タニシ)をいただきます!
なかなかインパクトのあるビジュアルですが、唐辛子と台湾バジル、醤油で味付けされたタニシは、もう香りだけで食欲が湧き出る〜!

卓上に爪楊枝が置いてあって、それで中を引っ張り出すのですが、まわりの台湾人たちは爪楊枝を使わず、チュッと上手に啜っていました。

シジミの醤油漬けのような感じで、お酒のおつまみにもたまらない感じ!
タニシって食べれるの?というのが当初の私の疑問でしたが、よくよく調べてみると、かの有名な美食家・北大路魯山人も愛した味なんだとか。なかなかクセになりそうな味でした。

そして欠かせないのが「客家小炒」。 客家料理のお店には必ずやある定番メニュー。スルメイカと豚肉をさっと醤油で炒めたお料理。もうご飯がすすむすすむ!

一般的に客家料理はすこし塩辛く、ご飯に合うのが特徴です。
昔台湾人の友達が「客家人はよく働いて汗をかくから、その分しょっぱい料理を食べて栄養補給してたんだよ〜」なんて話を聞いたことがありましたが(諸説あり)、今回の街歩きで客家人たちが苦労して生活を築いてきた跡を見ると、なんだかその説にも納得しちゃいます。

こちらの紅燒豆腐もめちゃくちゃ美味しかった…!白ご飯おかわり間違いなし!

また佳冬の街歩きのお供には「清香冰果室(チンシャン ビングォシー/qīngxiāng bīngguǒshì)」の昔ながらの味わいの紅茶をどうぞ♡ こちらのお店は地元の人たちに愛され、50年以上続いてきた台湾式かき氷や飲み物の老舗。

昔ながらの素朴なメニューが並んでいますが、今回はシンプルな冬瓜紅茶をいただきました。暑い日でしたが、スッと汗がひくような甘さ。生き返る〜!

客家文化に触れる、佳冬の街歩き まとめ

以上、今回初めて訪れた佳冬。いかがでしたか?
今回はガイドをつけたので約2時間ほどのこってりとした街歩きでしたが、ただその景色を楽しみながらお散歩するだけでも楽しめそうです。

高雄や墾丁の方からアクセスするのも良いですし、せっかくなら佳冬に泊まってみたい!という方は、すぐ近くの民宿「佳南漁場民宿」がおすすめ。港の近くなので海鮮料理なども楽しめるそうですよ〜!

またこうした「客家文化」についてもっと深く学んでみたい!という方は、同じ屏東県にある「六堆客家文化園区(リゥドゥイ クェァジア ウェンホア ユエンチュイ/liùduī kèjiā wénhuà yuánqū)」を訪れてみるのもおすすめ。客家の文化をたくさんの方に知ってもらうために建てられた客家のテーマパークのような施設です。

屋外の公園もふくめて敷地はかなり広く、市民の憩いの場にもなっています。
今回ご紹介した四合院や五福符などの文客家化についてもじっくり解説付きで学ぶことができますよ〜(何より入場無料なのが嬉しい)!

ぜひこちらもチェックしてみてくださいね!

それにしても、これまで屏東といえば墾丁!客家といえば花布!ぐらいの浅いイメージしかなかった私。今回の旅を通して、客家民族の歴史や文化がとても奥深いことを知り、そんな文化が街ごと残っている台湾がますます好きになりました。

定番エリアを行き尽くした方は、ぜひこうした学びの多い街歩きにもチャレンジしてみてくださいね!客家料理の美味しさに舌鼓をうつのもお忘れなく♡

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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