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台湾人が話す中国語「台湾華語」ってなに?台湾好きなら知っておきたい言語事情あれこれ

2017.8.4

台湾好きなら中国語も少しはマスターしておきたいもの。でも台湾で話されている中国語って、いわゆる普通話とはちょっと違うの?台湾語ではないの?今回はそんな疑問に答えるべく!台湾留学中のキュレーターが台湾の言語事情を簡単にご紹介します!

大家好!キュレーターのりょうです。
台湾に留学をするために準備を開始した頃のこと。「台湾に留学に行きます!」と言うたびに、とにかくよく聞かれたのが「台湾で台湾語を勉強するの?」「台湾の人が話す中国語って、一般的な普通話とは違うの?」という質問でした。

台湾が大好きな読者の皆さんも、同じような質問をされた経験があるのではないでしょうか?

こんなに日本から距離が近くて、旅行先としての人気上昇中の台湾でも、そうした言語に関する認知度はまだまだ低いのが現状。 ということで今回は、もっともっと台湾の社会や文化について知ってほしい!というアツい想いを込め、中国語と台湾語にもまれながら1年間台湾留学をした私が、台湾の言語事情について徹底解説いたします!

台湾の人はどんな言葉を話している?

台北でMRT(地下鉄)に乗ると、必ず流れる「次は○○駅です」という車内放送。これ、よーく聴くと、

①中国語→②台湾語→③客家語→④英語
の順番でアナウンスされているのをご存知ですか?

日本の九州ほどの大きさの台湾ですが、実はこんな身近なところでも、移民によって栄えた多言語社会としての台湾を垣間見ることができるんです。

それではまず、台湾で話されている言語を、4種類に分けて見てみましょう。

①台湾の公用語である「中国語(國語)」

台湾の公用語は「中国語」で、中国語は「國語(グオユー/guó yǔ)」と呼ばれるのが一般的。「中文 (ジョンウェン/zhōng wén)」とも表現されます。
この中国語は、いわゆる中国大陸でも使われる普通話と同じものなのですが、台湾ならではの言い回しやイントネーションがあることもあります。こちらは記事の後半でご紹介します。

ちなみに日本で中国語を学ぶときには、この普通話を「漢語」と表すこともありますが、この呼び方は台湾ではあまり一般的ではなく、「中文」や「華語」などと表されることがほとんどです。

②公用語ではないものの、広く親しまれる「台湾語」

公用語ではないものの、台湾で親しまれているのが「台湾語」。
先ほどの「國語(guó yǔ)」に対して、「台語(tái yǔ)」とも呼ばれ、広く使用されています。「閩南語(びんなんご)」と呼ばれることも。中国語の声調は4種類ですが、台湾語の声調は8種類(!)。似ていると思われがちな中国語と台湾語ですが、文法こそ共通点はあるものの、発音はかなり異なります。

もともと台湾語は、中国福建省南部にルーツを持つ言語。
福建からの多くの移民によって栄えた台湾では、国民党が台湾統治を開始し中国語を共通語に制定するまでは台湾語が広く使われていました。現在も公式の場では中国語を、非公式の場では台湾語を用いる人が多く、特に年齢が上がるほどその使用率も増える傾向にあります。

また台北などの大都市を離れ、台南や高雄などの南部へ行くほど台湾語を日常的に使う人も多く、コンビニや夜市でも普通に台湾語を耳にすることも。

例えば「ベー(beh)」というのは、中国語の「要(ヤオ/yào)」の台湾語読み。また「OK」や「はい」と言う意味で頻繁に用いられる「好(ハオ/hǎo)」の台湾語は「ホー(ho)」。これは初心者でも区別がしやすく、街中でもよく聞くので、覚えておくと面白いかもしれません。

台湾語といえば、おじいちゃんおばあちゃんなど年齢が上の人ほど台湾語を使っているイメージなので、南部を旅行中に、小学生くらいの子供たちが台湾語で会話をしているのを聞いた時にはびっくり!学校教育では統一して中国語が使われるものの、家の中では家族や親戚と台湾語で会話をしていることが多いので、幼いながらも既にふたつの言語を自在に操っているのです…!

台湾語は「公用語ではないものの現在も広く使用されている台湾の言語」と覚えておくと、分かりやすいかもしれません。

③客家(はっか)民族の話す「客家語」

「客家」といえば、この可愛い柄!「客家花布」と呼ばれる客家の伝統的な模様の布を、皆さんも台湾で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

そんな文化を持つ漢族の客家人が話すのは「客家語(kè jiā yǔ)」。こちらは中国語・台湾語に次いで台湾で話者の多い言語になります。

主に中国大陸(広東省、福建省、江西省、広西省、湖南省、四川省など)で話されている言語ですが、 移住によって台湾や東南アジアにも多く分布があるのだとか。ちなみに、あの李登輝元総統も、客家の出身です。 客家民族の家庭のために客家語でニュースやドラマを放送するテレビチャンネル「客家電視台」もあります。

④原住民語など、その他の言語

その他にも、台湾の人口の計2%を占める16の原住民族は、それぞれの原住民語を話していたり、日本統治時代に義務教育を受けた方には、日本語を一般的に話す人もいます。


以上、台湾で話される言語を大きく4つに分けてご紹介させていただきました。
比較的面積の小さな島国である台湾が、実は多言語社会である!ということがお分かりいただけたでしょうか。まとめると、台湾へ語学留学に行く人は「中国語」の習得が目的であることが一般的ですし、ビジネスの場でも中国語が主に用いられています。

ちなみに… よく「じゃあ広東語は?」という質問も受けるのですが、「広東語」は中国広州や香港に住む方々が話す言葉ですので、台湾ではまず通じません!


台湾で話される中国語「台湾華語」」の特徴は?

さて、ここからはよく耳にする「台湾華語」「台湾中国語」について。
これは台湾語ではなく「台湾で話される中国語」のことを指しています。文法や語彙など基本的には、中国大陸で使われている中国語「普通话/普通話(プートンホア/pǔ tōng huà)」と同じですが、台湾ならではの特徴やちょっとした違いがあるのです。

1945年に台湾統治を開始した中華民国政府が「普通話」の使用を強制してから、70年以上の時を経て、表現などに習慣的な違いが生まれてきました。以下では、そのうち主要なものをご紹介します。

① 漢字を見れば一目瞭然!「簡体字」と「繁体字」の違い

まず、簡体字(かんたいじ)と繫体字(はんたいじ)の違い。中国では簡体字が、台湾では繫体字が使われています。 この二つの違いを簡単に言えば、簡体字は画数が少なく省略の多い字体で、繫体字は全く簡略化されていない画数の多い字体。

例えば、日本語の「様」という字は、簡体字では「样」、繫体字では「樣」と書きます。
また、簡体字の「业」という字は、繁体字では「業」と書きます。

繁体字と聞くと「画数が多くて大変!」「難しそう!」と思われるかもしれませんが、日本で使われる一般的な漢字は繁体字に近いことが多いので、実は日本人にとっては繁体字の方が学びやすいかもしれません。


② 舌を巻かない台湾人の発音

台湾人の話す中国語は、「捲舌」と呼ばれる舌の巻き方や、「声調」と呼ばれる抑揚にも大きな特徴があります。

違いが分かる有名な例を挙げると、「(食べて)おいしい」という意味の「好吃 (hǎo chī)」。
カタカナで表現したときに「ハオチー」と書かれることもあれば「ハオツー」と書かれることもあります。この差は「好吃」の[chī]という音を、どれだけ舌を巻いて発音するかによって生まれるもの。舌を内側に巻くほど「チー」に近い発音になり、あまり巻かないで発音すれば「ツー」に近い音になります。
中国、特に北部では舌をしっかりと巻いて発音するので「ハオチー」に聞こえるのですが、台湾ではあまり舌を巻かないので「ハオツー」に聞こえるのです。

また、台湾中国語は抑揚が少ないのも特徴的。中国では4つの声調をはっきりつけて話すのに対し、台湾では比較的音が平坦に聞こえます。 台湾の中国語は中国大陸のそれよりも柔らかく聞こえる、とよく言われるのもこのためです。


③ 台湾では通じないので要注意!?日常会話での単語や表現の違いも

文法や読み方は同じでも、頻繁に使われる語彙も少しずつ異なります。 例えば、日本で中国語を勉強していた人が台湾へ行ったときに最初に気付く違い。 それは「謝謝(ありがとう)!」と言われたときの反応。

中国や中国語の教科書では「不客气 (ブークーチー/bú kè qì)」とされていることが多いのですが、 台湾で最も一般的な返しは「不會(ブーフゥェイ/bú huì)」。ありがとうと言われるほどのことはしてないよ!といった謙遜の入った表現です。

ほかにも単語での違いは色々。私が台湾に来たばかりのころに一番驚いたのは、旅行中の頻出単語、 「タクシー」の中国語。

日本で販売されている一般的な中国語の教科書には「出租车(チューズーチァー/chū zū chē)(出租車)」と載っていますし、「タクシーに乗る」ことを「打的(ダーディー/dǎ dí)」と表現したりもします。ところがこれ、台湾ではほとんど通じないんです!

台湾では、タクシーを「計程車 (ジーチャンチァー/jì chéng chē)」と呼びます(台湾のタクシーは黄色であることから、「小黄 (シァオホアン/xiǎo huáng)」と呼ばれることも)。自転車も、中国では「自行车 (ズーシンチァー/zì xíng chē)」なのに対し、台湾では「脚踏車 (ジァオターチァー/jiǎo tà chē)」と、異なる表現になります。


④ 台湾で「ピンイン」は通じない!発音記号とキーボード入力

また中国大陸と台湾の中国語の大きな違い。それは漢字の読み仮名の表記法。

中国では、ローマ字で発音を表す「ピンイン(拼音)」が使われています。 日本で中国語を学ぶ場合、ほとんどの教材はこの「ピンイン」表記を使用していますよね。外国人が一目で発音を認識できるという点でも、このピンイン表記はとっても有難いもの。

しかし台湾では、このピンインが使われることはなく、その代わりに「注音」符号と呼ばれる発音記号が使用されているんです。小さい子供が中国語を勉強する際に、ピンインの代わりにまず触れるのが、基本の母音の言葉を取った「ボポモフォ(ㄅㄆㄇㄈ)」と表現される注音符号

注音符号は全部で37文字あり、母音と子音を組み合わせて表現します。

台湾では、学校教育でもこの注音符号が使われているため、スマートフォンで文字を入力するときも、この注音符号の組み合わせで漢字を表示させます。世界的に一般的なピンインの入力方法や読み方は、実は台湾人の方は分からないことがほとんどなんです。

こちらのリンクでは、注音符号のそれぞれの音を確認することができます。詳しく音声を聞いてみたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。 http://www.mdnkids.com/BoPoMo/

とはいえ、台湾の語学学校などで中国語を勉強するときには、一般的にはピンインが使われるのでご安心を。


⑤ 日本統治の歴史から生まれた、日本語が語源となった単語

台湾で話される中国語の中には、日本語が語源となっている言葉もあります。かつて統治されていた影響から、日本語の単語が台湾語として使用されるようになり、その台湾語が次第に中国語としても使用されるようになったといった背景が多いようです。

こうした例で有名なものとしては、
おばさん → 歐巴桑 (オウバーサン/ōu bā sāng) 弁当 → 便當 (ビェンダン/biàn dāng) などなど。

ほかにも沢山こうした単語があるので、探してみると面白いかもしれません。ちょっとした違いや特徴から、台湾独自に発達した文化や歴史的背景を知るきっかけにもなるかもしれません。

というわけで、以上、知れば知るほどにふか〜い、台湾の言語事情を紹介させていただきました。今回はざっくり5つのポイントから、台湾華語・台湾中国語の特徴をお伝えしましたが、次回は、知っておくと楽しい簡単な台湾語などもご紹介したいと思います。

せっかく台湾旅行をするなら、こうした言語に触れてみるのも面白いかもしれませんね。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました♡

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